人の心を動かす女子バレー 元代表監督の眞鍋氏が考える「魅力」と「パワーの源」
球技の中で唯一、ボールを落としていけないスポーツであるバレーボール。コートに立つ6人が想いを込めてつなぎ、得点が入れば全員が集まって笑顔で喜びを分かち合い、ミスを犯せば励まし合って立て直す。そんな一体感が凝縮された光景に、胸を熱くさせられた経験が一度はあるのではないだろうか。
「一致団結した時、1の力が30にも、40にも、50にもなる」…女子特有の結束力
球技の中で唯一、ボールを落としていけないスポーツであるバレーボール。コートに立つ6人が想いを込めてつなぎ、得点が入れば全員が集まって笑顔で喜びを分かち合い、ミスを犯せば励まし合って立て直す。そんな一体感が凝縮された光景に、胸を熱くさせられた経験が一度はあるのではないだろうか。
なぜ、バレーボールは人の心を動かすのか。その魅力とは――。
「バレーボールは団体スポーツですけど、やはり各々の個性が強くなければ勝てません。個性と意志が強く、目標をガツンと持っている選手たちが集まって一致団結した時、目に見えない力を発揮するんです。特に女子バレーは」
そう答えてくれたのは、元全日本女子監督の眞鍋政義氏だ。現役時代は名セッターとして活躍し、引退後は2008年12月に全日本女子監督へ。データを駆使した「IDバレー」で2010年の世界選手権で32年ぶりのメダル、12年のロンドン五輪では28年ぶりの銅メダルをもたらした名将はこう話す。
「男子は比較的まとまりが早く、1の力が10、20になります。一方で、女子は気が強い選手が多いこともあってまとまるまでに少し時間はかかりますが(笑)、一致団結した時には1の力が10、20を超えて、30にも、40にも、50にもなる。男子にはない女子特有の結束力が、とてつもないパワーを生み出すんです」