10人目のPK外し「高校サッカー終わったんだな」 悪夢の負傷交代から5か月、逃げなかった最後の冬――尚志高・西村圭人
第104回全国高校サッカー選手権大会は10日、国立競技場で準決勝が行われ、尚志(福島)は神村学園(鹿児島)にPK戦で敗れ、決勝の舞台に届かなかった。昨年8月のインターハイ準決勝で敗れた相手に、リベンジならず。主将・西村圭人(3年)は、約5か月前の一戦で負傷交代。ベンチから敗戦を見つめた苦い経験を経て挑んだリベンジマッチ、結果は伴わなかったが、主将としてチームを着実に前進させた。

高校サッカー選手権
第104回全国高校サッカー選手権大会は10日、国立競技場で準決勝が行われ、尚志(福島)は神村学園(鹿児島)にPK戦で敗れ、決勝の舞台に届かなかった。昨年8月のインターハイ準決勝で敗れた相手に、リベンジならず。主将・西村圭人(3年)は、約5か月前の一戦で負傷交代。ベンチから敗戦を見つめた苦い経験を経て挑んだリベンジマッチ、結果は伴わなかったが、主将としてチームを着実に前進させた。
尚志の決勝進出は、あと一歩で阻まれた。1-1のまま迎えたPK戦。互いに譲らず、10人目のキッカーへ。先攻の神村学園は中野陽斗(3年)がキックを成功。外せばその瞬間、負けが決まる。西村が左足で蹴ったボールは無情にもクロスバーを直撃した。「これで、高校サッカーが終わっちゃったんだな」。頭を抱え、崩れ落ちた西村。10秒ほど動けない姿を見て、仲間が駆け寄り、「気にすんな」と、彼を抱きかかえた。
チームの先頭に立ち、「打倒・神村」へ闘志を燃やし続けてきた。昨年8月、福島県で行われたインターハイ準決勝で、1-1の同点で迎えた後半終了間際、足首を押さえながら担架で運ばれ無念の交代。主将が不在となったピッチでは、悪夢の光景が広がる。後半アディショナルタイム、セットプレーから土壇場で失点。「最後まで戦いたかった」と、無念の思いを強くした西村は「選手権でこの悔しさの借りを返せたら」と胸に誓った。
リベンジマッチが実現した国立のピッチではプレーと声かけで牽引。チームは前半5分に先制し、上々のスタートを切ったが、後半に同点ゴールを許し、PK戦で屈した。インターハイに続く悪夢。試合後は涙し、表情には悔しさが滲み出た。それでも、夏に比べれば、試合内容は劇的に改善。押し込まれる展開は減り「チームとして成長を感じられる試合だったんじゃないかなって思います」と前を向く。
出身は新潟県。アルビレックス新潟の下部組織でサッカーをしていた中学時代、尚志のパスサッカーに魅了され、福島へやって来た。「97回大会の試合がなかったら、この高校に進んでいなかった」と、ベスト4に進出したチームへの思い入れは強い。今年からキャプテンに就任。最終ラインからチームを鼓舞し続けた。この1年を改めて振り返り「逃げ出したいような時もあった」と本音もこぼす。一方で、責任感は人一倍強い。
ベンチから敗戦を見届けた昨夏のインターハイ後、「最後までピッチに立って、背中で見せたりすることが大事なんじゃないか」と、責任を痛感。選手権に向けたリスタートを果たした中では、「怪我しないとか、当たり前のことを当たり前にできなきゃいけない」と強く意識づけ。上手くいかない時期もあったが、徐々に結束力は高まり「いいチームになったと思います」と、主将としてチームへの感謝も滲ませた。
今後は故郷の新潟へ戻り、大学でサッカーを続ける。「3年間もそうですし、選手権でも戦った経験は無駄にしないで、繋げていくっていうのが大事」。青春を捧げた高校サッカーに終止符を打ち、新たな一歩を踏み出す。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)
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