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「最初は日本語が分からなくて…」タイからやってきた留学生が日本の高校を選んだワケ――鹿島学園・プムラピー・スリブンヤコ

第104回全国高校サッカー選手権大会は10日、国立競技場で準決勝が行われ、鹿島学園(茨城)が流通経済大柏(千葉)に1-0で勝利し、同校史上初の決勝へ進出した。無失点の原動力になったのが、タイからやって来たGKプムラピー・スリブンヤコ(2年)。日本語でのコミュニケーションをスムーズにこなし、レギュラーに定着した留学生が国立のピッチで爪痕を残した。

準決勝で存在感を放った鹿島学園のGKプムラピー・スリブンヤコ【写真:橋本啓】
準決勝で存在感を放った鹿島学園のGKプムラピー・スリブンヤコ【写真:橋本啓】

高校サッカー選手権

 第104回全国高校サッカー選手権大会は10日、国立競技場で準決勝が行われ、鹿島学園(茨城)が流通経済大柏(千葉)に1-0で勝利し、同校史上初の決勝へ進出した。無失点の原動力になったのが、タイからやって来たGKプムラピー・スリブンヤコ(2年)。日本語でのコミュニケーションをスムーズにこなし、レギュラーに定着した留学生が国立のピッチで爪痕を残した。

 試合終了後、歓喜に沸いた鹿島学園イレブン。ベンチ前では殊勲の決勝ゴールを奪ったワーズィージェイヴェン勝に無数のカメラレンズが向けられ、その横ではGK陣と抱き合うスリブンヤコの笑顔が弾けた。

「初めての国立だから、凄かった。得点が入った時の声がめっちゃ飛んで(響いて)、そのスタジアムの音に耐えられなくて、凄かったです」。記者に囲まれると日本語で興奮気味に話したスリブンヤコ。ピッチ上では193センチの長身を生かしたボール処理と、長短織り交ぜた正確なキックを持ち味に、最後方で存在感を放った。

 サッカーを始めたのは5歳。初めはフォワードだったが走るのが苦手で、10歳の頃からキーパーへ。小学校、中学校では強豪ムアントン・ユナイテッドの下部組織で過ごしたが、サブに甘んじていた。その後の進路を思い悩む中、高校進学のタイミングで、「新しい人生を作りたい」と、興味のあった日本サッカーへの挑戦を決断した。

 父親がSNSを通じて調べた情報を基に「留学生も入れるし、サッカーのレベルも高い」鹿島学園へ。「Jリーグに行きたい、高校サッカーから始まるのがいいと思って」と、将来の夢も思い描いている。

 異国での生活が始まると、いきなり壁にぶつかった。「最初は日本語が全然分からなくて、タイ人は1人だから誰もいなくて結構大変でした」。翻訳機能を駆使して、コミュニケーションを取る日々。「日本語しかないから、みんなと仲良く毎日話して」日本語でのコミュニケーションは上達。今ではほぼ問題なく日本語を話し「関西弁も喋れますよ」とおどけて見せる。

 今大会では全試合にフル出場。憧れだった国立のピッチを踏んだ流通経済大柏戦では、普段日本にいる母親に加え、父と姉が来日。試合終了後、鹿島学園の応援スタンドでは、家族と対面する姿が。「苦しい時間も一緒に頑張ってここまで来たので、我慢できなかったです」。思わず熱い思いがこみ上げ、涙した。

 悲願の全国制覇まで、あと1勝。快進撃を見せる鹿島学園のゴールに立つU-17タイ代表の守護神は「次も無失点で、優勝したいと思います」と、高らかに言い放った。

(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)

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