「母は仕事を辞めて…」部員274人、サッカー強豪校で高1が掴んだ夢 全国8強に流した感謝の涙――興国高校・笹銀志
第104回全国高校サッカー選手権は1月4日、準々決勝が行われ、興国(大阪)はU等々力で行われた鹿島学園(茨城)戦に1-3で敗れ、悔し涙をのんだ。途中出場のFW笹銀志は、今大会で登録された3人の1年生メンバーのひとり。地元・徳島を離れて大阪へ。16歳の口からは、両親への感謝があふれた。

第104回全国高校サッカー選手権
第104回全国高校サッカー選手権は1月4日、準々決勝が行われ、興国(大阪)はU等々力で行われた鹿島学園(茨城)戦に1-3で敗れ、悔し涙をのんだ。途中出場のFW笹銀志は、今大会で登録された3人の1年生メンバーのひとり。地元・徳島を離れて大阪へ。16歳の口からは、両親への感謝があふれた。
笹は今大会で全4試合に出場。3回戦の東福岡(福岡)戦では、1点ビハインドの後半アディショナルタイムに起死回生の同点弾を突き刺し、土壇場でPK戦へ。東福岡を5-4で撃破し、8強進出へ大きく貢献した。同点ゴールはオフサイド疑惑で揺れ、その余波も心配されたが「気にしていないです」と臆さなかった。
4強を懸けた鹿島学園戦ではベンチから戦況を見つめ、後半18分からピッチへ。2点ビハインドでの投入。懸命に走ったが、シュート0本のまま終了のホイッスルが鳴り響いた。バックスタンドの応援席へ挨拶に向かった笹の目は赤く腫れていた。
地元の徳島でサッカーを始め、小、中学校時代はJ1ヴィッセル神戸の下部組織で技を磨いた。ユースへの昇格が叶わず高体連へ。「ここに来るのを夢見ていた」。興国なら成長につながると確信。決断に間違いはなく「トップチームに行ってからも3年生が支えてくれて、本当に良いチームだなって思いました」。
入学後、サッカーと向き合う日々を送ってきた。部員数274人と大所帯のサッカー部。「自主練であったり、誰よりもサッカーをする、努力するっていうのが周りと差をつける、一つのことだと思う」と考え、努力を惜しまなかった。首脳陣から向けられる目は変わり、選手権のピッチへ。「誰よりもやってきた」と、自らの歩みに自信をのぞかせる。
選手権のピッチでは常に、両親への感謝を忘れずプレーした。共働きの家庭だったが、サッカーに力を注ぐ我が子へできる限り寄り添おうと、時間を惜しまなかった。「仕事の間とか、休みの日もずっと付き添いでいてくれた」。中学から親元を離れて寮生活。高校からは興国での寮生活が決まると、父親を徳島に残し、母親と姉が大阪へ。
「(母親は)大阪に行くために仕事を辞めてくれて、また新しい職を探してくれた。僕が恩返しできるっていうのはサッカーで喜ばせることしかできないと思うので。それを胸に刻んで、ずっとやっていました」
高校1年で辿り着いた全国の舞台。両親には感謝の思いが尽きない。「寮生活も難しいところもあったんですけど、ずっと自分のことを思ってくれていた。悔しい結果だったけど、最後はちゃんと『ありがとう』って伝えたいです」。誰よりも応援してくれる家族のために、さらなる成長へと歩み出す。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)
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