ホームシックに悩む時も「家族のために頑張りたい」

　夏冬2冠を目指した今年のWCも万全とは言えず。5月の痛みを「10」とすると現在の状態は「5」。それでも累計リバウンド数で4位に入るなど、2年連続ベスト4に貢献した。昨年の活躍でライバルからのマークも激化。だが、「アズカはBリーグの選手になりたいし、NBA選手になりたい。今活躍できなかったら多分Bリーグでも無理。だからチャレンジしたかった」とモチベーションに変えた。

　とにかく明るいアズカだが、ホームシックに悩む時もあった。悲しい時には「お父さんみたい。お兄ちゃんみたい」と慕う37歳の河上貴博監督にすぐに相談。監督から「なんでアズカは日本に来た？」と問われ、「家族のために頑張りたい」という熱意を思い出した。心に残っている恩師の言葉は「やるしかない」。自分の人生に負けないように、前を向いて汗を流し続けた。

　来日してから2年と少し。バスケ以外でも「毎日もっと良い人になりたい」と思って高校生活を過ごしてきた。「周りの人が元気になったらアズカの勝ち。朝、みんなは寝起きで元気じゃないけど、アズカは寝起きでも底から元気。みんな『ウザい、ウザい』って言ってるけど、アズカがいなかったら多分寂しいと思う（笑）」。敗退後の取材でも、アズカの周囲には不思議と笑顔が溢れていた。