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留学生なしで日本一「バスケ界も変わるかな」 節分も修学旅行も全力で楽しむ大阪薫英が示した道【ウインターカップ】

安藤香織監督を中心に歓喜した【(C)SoftBank ウインターカップ2025」
安藤香織監督を中心に歓喜した【(C)SoftBank ウインターカップ2025」

イベント好きな指揮官「ハロウィンも豆まきも全部の行事をしている」

 モットーは「楽しんで」。決勝も第4クォーター途中まで常に桜花学園にリードを許す苦しい展開だったが、安藤監督は「笑おう」「楽しもう」と声をかけた。「うちの子たちは本当に真面目。いつも勝ちたいと思って失速するので、最後は『勝とう』じゃなく、負けてもいいから『楽しもう』という方に持っていった」。ベンチ外のメンバーも含め、全員がどんな状況でも明るい声を張り続けた。

 チームで楽しむスタイルは普段から。「ハロウィンも、クリスマスも、(節分の)豆まきも、ポッキーの日もする。お花見もするし、スイカ割りも……。多分全部の行事をしていると思う。学校の行事も修学旅行も遠足もめちゃくちゃ楽しむ。だから最後も楽しもうって」と安藤監督。主導するのは「だいたい私」とお茶目に笑う。そんなイベント好きな指揮官の人柄が「この薫英を作っている」と幡出は感謝する。

 多くの強豪校と違い、大阪薫英はこれまでも留学生なしで決勝やベスト4に進んできた。「希望の星」「感動しました」。そんな言葉をかけられることもあった。「日本一になれたことで、(留学生を呼べない)公立高校や留学生がいないチームが言い訳せずに『私たちもやったらできるんだ』と思って、またこういうチームが出てきたら嬉しいし、バスケ界もちょっと変わるかな」と安藤監督は胸を張った。

 高さで負けても試合には勝てる。48歳の指揮官は、身長159センチと小柄ながらトヨタ紡織で活躍する卒業生の都野七海を例に出した。「今もWリーグで大きい選手の前でフローターを打ったり、小っちゃい選手の希望になった。そういう意味では私たちにできる貢献の仕方もあるのかな」。留学生に頼らず、楽しんで勝つ。明るい監督とそれを慕う選手たちが、新たな道を示してみせた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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