神村学園がインターハイ一番乗り! 出水中央に3-0快勝、全試合完封で県大会3連覇
守備陣は6試合連続完封、攻守に伸びしろは十分
神村学園は、2006年度の高校選手権、07年度のインターハイで全国4強に入ったことのある強豪。攻撃時に小気味良いドリブルとショートパスを使い分ける選手が多く、人数をかけたコンビネーションサッカーが魅力だ。今大会は初戦でいきなりPK戦にもつれるなど、守備固めをする相手に苦戦しながら勝ち上がったが、尻上がりに調子を上げて来た。前線で起点を作れるFW若松勇斗(3年)は、負傷により今大会を欠場したが、全国大会には間に合う可能性がある。全国大会では、より攻撃的なサッカーで観衆を魅了するだろう。
一方、守備陣は、全6試合で完封に成功した。DFアン・デービッド(2年)は、韓国人の両親を持ち、カナダで育った留学生。まだ日本語のコミュニケーションは十分ではない。その上、今大会直前にFWからコンバートされたばかりで、守備の連係に不安を抱えていた。
しかし、持ち前のスピードとパワーで無失点に貢献。同じセンターバックでコンビを組んだDF稲田翔真(2年)は「僕が英語で話すことができないので、コミュニケーションを取りにくかったけど、身ぶり手ぶりのジェスチャーでやるしかなかった。ここまで失点ゼロで勝ち上がって来たので、決勝戦でもそれは守ろうと思っていた。序盤は緊張して危なかったけど、GKの吉山太陽(2年)に助けてもらった」と完封優勝の達成感をのぞかせ、笑顔を見せた。攻守両面に伸びしろのあるチームと言える。さらに成長した姿で挑む全国大会でも注目だ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)