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薬学部から初の野球部マネに 実験・実習、週4バイトも…全国4強 麻薬取締官からこの夏、見つけた新たな夢――名城大・吉田紗雪

今季は学生ディレクター、大学ラストイヤーの来季は主務に

 同学年の仲間が引退して1年。「部に残ってほしい」という首脳陣の言葉を受けて、今季は学生ディレクターという役職でチームを支えてきた。マネージャー業務に加えて担っているのが指導者と選手の橋渡し役。それは自ら考えて実践してきたことだった。

「選手が暗い顔をしていたり、うつむいていたりすると気になるんです……。だから、気が付いた時に声をかけたり、話し相手になったりしながら練習に付き合っている」

 5年生のため、年下の部員が大半。それでも親身に質問すると性格、持ち味、苦労していた出来事など、色々なことを教えてくれる。それは裏方として、真摯に取り組んできた一番の証だ。チームはこの秋、2年連続で神宮大会へ。初戦の2回戦を9回2死から追いつくなど、サポートした選手たちの粘り強い戦いでベスト4に躍進した。

「責任のある仕事でかっこいい」と麻薬取締官を目指していたが、この夏に新しい夢も見つけた。高校野球の愛知大会決勝でスコアラーのアルバイトをした際に、放送局で働く人たちの姿に心を奪われ、テレビに関わる仕事を志す。

「野球部に入って、人との関わり方の選択肢が増えた。人の輝きを色々な人に伝えたい」

 来季はいよいよラストシーズン。今大会で安江均監督が勇退し、新体制を敷く部にとって大事な1年となる。新チームではチーフマネージャーとなる主務を任される予定で、練習試合の日程調整や窓口対応など仕事は変わる。「選手との時間は減らないように。不安はあるけど、良いスタートが切れるようにサポートしたい」と意気込む。

 日本一には2勝届かなかった。あと1年、チームのために尽くす。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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