部員8人→170人のエースへ 人口2.6万人の“雲海の町”から…全国準Vで万感の涙、夢は「2年後にプロ」――立命大・遠藤翔海
高校・大学野球の秋の日本一を決める明治神宮大会(神宮)は11月14日から6日間、熱戦が繰り広げられた。大学の部決勝で立命大(関西5連盟第2)は0-4で青学大(東都大学)に敗れ、初優勝を逃したものの、10年ぶり出場で準優勝を達成。中学時代、部員不足で公式戦の出場すらままならなかった遠藤翔海(かける)投手(4年)が先発のマウンドに立った。エースへと成長した左腕は学生野球を締めくくると万感の思いに浸った。

来秋のドラフト1位候補に痛恨の3ラン
高校・大学野球の秋の日本一を決める明治神宮大会(神宮)は11月14日から6日間、熱戦が繰り広げられた。大学の部決勝で立命大(関西5連盟第2)は0-4で青学大(東都大学)に敗れ、初優勝を逃したものの、10年ぶり出場で準優勝を達成。中学時代、部員不足で公式戦の出場すらままならなかった遠藤翔海(かける)投手(4年)が先発のマウンドに立った。エースへと成長した左腕は学生野球を締めくくると万感の思いに浸った。
一球で涙をのんだ。両チーム無得点のまま迎えた6回1死二、三塁。来秋のドラフト1位候補、渡部海捕手(3年)にフルカウントから投じた内角スライダーを左翼席に運ばれた。立ち上がりから持ち前の制球力で青学大打線を封じながら、痛恨の先制3ランを献上。6回3失点でマウンドを降りたが、この一発が決勝点となり、日本一は手元からすり抜けた。
試合後、取材に応じた遠藤は目を赤くしていた。「先に点を取られたくなかった。3点というのは大きいので、野手の皆さんに申し訳ないです」。責任を背負いながらも、どこか清々しい表情を浮かべていた。「負けてしまいましたが、こんな大舞台でやらしてもらったのが一番うれしいです」と学生最後の大会に悔いは残さなかった。
全国準優勝の投手の経歴としてはいささか異色な時代がある。人口2万6000人、中国山地に属し“天空の城”と評される雲海スポット、竹田城跡がある自然豊かな兵庫県朝来市の出身。所属した和田山中で軟式野球部は2年生の頃、部員はわずか8人だった。
「人数が少なくて、大会にも出られなかった。練習ができないのが不便で……。委員会活動で誰かが抜けると、バッティング練習を4~5人で回していました」。思うような練習ができない時もあったが「一番大変でしたけど、それでも楽しかったです」と懐かしそうに笑みを見せた。
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