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応援席にゲーセン仕込みの“才能” 日本一決戦、ドラム担当は野球部員…自信をくれた「太鼓の達人」――神戸国際大付・赤司海斗

高校・大学野球の秋の日本一を決める明治神宮大会(神宮)は14日から6日間、熱戦が繰り広げられた。高校の部で準優勝した神戸国際大付(近畿)の応援席には異色の存在がいた。応援曲に合わせ、ドラムを叩いたのは野球部員の赤司海斗(1年)。スタンドを盛り上げた下級生捕手がスティックを握ったワケとは――。

応援席でドラムを叩きナインを支えた神戸国際大付・赤司海斗【写真:澤田直人】
応援席でドラムを叩きナインを支えた神戸国際大付・赤司海斗【写真:澤田直人】

「力になれば」と握ったドラムスティック

 高校・大学野球の秋の日本一を決める明治神宮大会(神宮)は14日から6日間、熱戦が繰り広げられた。高校の部で準優勝した神戸国際大付(近畿)の応援席には異色の存在がいた。応援曲に合わせ、ドラムを叩いたのは野球部員の赤司海斗(1年)。スタンドを盛り上げた下級生捕手がスティックを握ったワケとは――。

 九州国際大付との決勝。ナインを支えるかのように腕に力をこめた。

 神宮球場の一塁側応援席に持ち込まれたドラムセットに座った赤司。太鼓、トランペットなど他の担当と息を合わせ、「スパルタンX」などの曲で軽快なビートを刻んだ。本来のポジションはキャッチャー。マスクをつけて守備の要を担う選手だが、なぜ応援の主軸となったのか。

 その経緯は意外な特技から始まった。

「昔からゲーセンの『太鼓の達人』が得意で、リズム感には自信があったんです」。赤司はそう言って笑みを浮かべる。

 ドラムを叩くのは今秋の兵庫県大会が初めて。応援に駆けつける吹奏楽部の一部生徒が、学校の行事もあって不在に。自らリズム隊を志願した。この決勝で叩いたのは4回目。応援がない試合を経験した際に、チームメートから「応援があった方がいい」と声が上がったことも背中を押した。

「力になれば」の一心でスティックを握った。秋の日本一を決める大舞台。正確なリズムがスタンドの応援に一体感を与え続けた。リズム感の良さは自身のプレーにも好影響があるという。「打席に立った時、相手ピッチャーとのタイミングを合わせることにも活きています」と1日も早い“本職”での活躍を誓う。

「近畿王者の看板を背負っているので必ず……」

 試合は1-11で敗れ準優勝。終盤、大差となった状況でもナインを信じて、ドラムの音を途切れさせなかった。結果は悔しい敗戦となったが、神宮に鳴り響いた音が春に向けてチームを強くさせるはずだ。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)

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