甲子園に「無理して出る思いはない」 高2でTJ手術→翌年ドラ3指名…“高校で燃え尽きない”選択肢――健大高崎・佐藤龍月
異例の挑戦をした高校球児の夢が叶った。23日に都内で行われたプロ野球のドラフト会議。健大高崎高の佐藤龍月投手(3年)はオリックスから3位指名を受けた。2年春のセンバツで優勝投手になるも、夏に左肘じん帯断裂と疲労骨折が判明。トミー・ジョン手術を受け、わずか1年2か月後に夢舞台への切符を掴んだ。決断の裏にあった思い、そして涙した運命の1日を取材した。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

プロ野球ドラフト会議
異例の挑戦をした高校球児の夢が叶った。23日に都内で行われたプロ野球のドラフト会議。健大高崎高の佐藤龍月投手(3年)はオリックスから3位指名を受けた。2年春のセンバツで優勝投手になるも、夏に左肘じん帯断裂と疲労骨折が判明。トミー・ジョン手術を受け、わずか1年2か月後に夢舞台への切符を掴んだ。決断の裏にあった思い、そして涙した運命の1日を取材した。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
高卒でプロ野球選手になる。今年1月、異例の決断の裏側を明かした左腕の目に迷いはなかった。
2年春のセンバツで背番号1をつけ、同級生の最速158キロ右腕・石垣元気投手と2本柱でチームを牽引し、優勝投手に。夏の群馬大会でも優勝した。しかし、佐藤の左腕は限界だった。決勝から3日後、左肘じん帯断裂と疲労骨折を医師から告げられた。
「絶望というか……。言われた瞬間はこれが現実かと」
得意のスライダーを多投したことが原因の1つという。選択肢はトミー・ジョン手術か保存治療の2つだった。家族や医師と相談し、「手術の方が安全」と将来を見据えて判断。10日後には手術を決心した。
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手ら、多くのプロ野球選手も受けた手術。復帰までに1年以上を要することが一般的で、残り甲子園で投げることは厳しくなる。もちろん、佐藤にとっても特別な舞台だ。仲間が夏の聖地に立った姿に、目を背けたくなる時もあった。それでも――。
「手術することには迷いはなかった。(2年の)春に優勝できたのが大きくて、なかなかできない経験ができた。甲子園に無理して出ようという思いはなかった。後悔はないです」
8月、トミー・ジョン手術を受けた。そこから驚異の回復をみせる。半年後のセンバツは打者に専念し、代打で4試合に出場した。高校最後の夏、群馬大会で投手復帰し、優勝に貢献。そして、灼熱の日差しを浴びて、17か月ぶりに甲子園のマウンドに上がった。
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)










