八村塁に1on1挑んだ中2女子の忘れられない夏休み 府ベスト32止まりも…夢のプロへ定まった覚悟

変わった目標への覚悟「行ってみたい」から「絶対に行く」へ
所属する中学校の部活では大阪府ベスト32止まり。だが、部活以外にも時間を見つけてクラブチームに顔を出したり、パーソナルトレーニングを受けたりと努力を重ねてきた。男女153人が参加した2日間のキャンプでも存在感を示し、高校生らに交じって選抜メンバー入り。特別マッチでは経験したことがない大観衆に足が震えたが、ボールに触れた瞬間に緊張はどこかへ消えた。
自らボールをもらいに行き、ドリブルで切り込む得意のプレーも披露。「得点は取れなかったけどシュートまで行けた。もう一つ上のレベルに行くためには、決め切る力や相手のズレを見る力が課題だと思った」。選抜メンバーには全国の強豪校から来た選手たちも。「すごく上手いし、一緒にプレーもやりやすい。こういうところを見ているんだな、こういうフェイクがあるんだな」と刺激を受けた。
「プロになりたい」「できればWNBAに」という夢を持ちつつ、トップレベルに触れる機会はなかなかなく、近づけるのかと迷いを抱くこともあった。3314人の応募者の中から見事に当選し、舞い込んだまたとないチャンス。「自分の目標に対する気持ちがすごく変わった」。汗を流し続けた3日間の最後に、晴れやかな笑顔を浮かべて言い切った。
「今までだったら『自分も行ってみたい』という感じだったが、『絶対に行く』という感じになった」
八村がキャンプのテーマに掲げたのは「覚悟」。ともに指導にあたったNBAの名コーチ、フィル・ハンディ氏も「競争心」の重要性を何度も強調し、ライバルに、そしてなにより自分に負けない闘争心を求めた。
「どれだけ足りていなかったか気づけた。どんな時でも競争心を持ってやりたいし、どんな相手だろうと自分の課題と向き合うことを一番にやろうと思った」
見えてきた憧れの舞台への道筋。忘れられない中学2年の夏休み、夢追う少女の覚悟は定まった。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
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