部員200人超の強豪校で「埋もれなかった才能」 異色の「校内リーグ」から飛躍、救われた高3の姿――大津高・福島悠士

校内リーグ誕生の意義を実感
大所帯での部活動となれば、部員同士のコミュニケーション不足が生じたり、実戦機会を得られず伸びるはずの才能が埋もれてしまったりと、少なからずリスクも存在する。ただ、校内リーグの発足によって、そうした懸念は薄まりつつある。
福島は「普段カテゴリーが違う人や対戦機会がなかった3年生とか他の学年の人とコミュニケーションが取れたり、新しいものを色々吸収できる」と言い、その意義を実感する1人だ。才能を伸ばす選手が現れる現状に、山城監督も「評価の場にもなってますし、僕らが意図してないような側面的な効果が出てきている」と、笑顔を浮かべた。
もちろん、成長にはそれなりの努力が要る。福島はライバルにしっかり目を向けて「どうすれば勝てるのか」を必死に考えた。対人の弱さがあると分かれば、筋力トレーニングに励み、苦手だったロングボールの精度にも磨きをかけた。
山城監督は「自分にとってすごくストレスなことがあっても自己解釈して、前向きな考え方に捉え直すこともできますし、1つやろうと決めたことはコツコツとやり続けられる」と、特筆すべきパーソナリティーを称える。
「現代の高校生は、あまり継続性を得意とはしていないと思うんですけど、彼は本当にコツコツと朝練も早くから来て取り組んでます。福島と今井(獅温)と松野(秀亮)の3人に関してはコツコツと朝練からやってきている選手ですので、そういう仲間にも恵まれながら継続性を発揮できるのが彼の強みだと思います」
校内リーグの発足をきっかけに、大きな飛躍を遂げた福島は「選手権での優勝に向かって力を高めていきたい」と意気込む。高校3年生の歩みは、まだまだ止まらない。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)
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