部員200人超の強豪校で「埋もれなかった才能」 異色の「校内リーグ」から飛躍、救われた高3の姿――大津高・福島悠士
7月26日から8日間、福島県で熱戦が繰り広げられた高校サッカーのインターハイ(総体)。今大会の準優勝校、大津(熊本)では昨年、公式戦で出番を掴めない多くの部員に真剣勝負の場を与えようと、校内リーグを立ち上げた。福島悠士(3年)は、その校内リーグをきっかけに飛躍し、才能が一気に開花。3桁の部員数を抱える強豪校サッカー部の新たな取り組みが救いとなった。(取材・文=THE ANSWER編集部・橋本 啓)

高校サッカー強豪・大津で才能開花の背景
7月26日から8日間、福島県で熱戦が繰り広げられた高校サッカーのインターハイ(総体)。今大会の準優勝校、大津(熊本)では昨年、公式戦で出番を掴めない多くの部員に真剣勝負の場を与えようと、校内リーグを立ち上げた。福島悠士(3年)は、その校内リーグをきっかけに飛躍し、才能が一気に開花。3桁の部員数を抱える強豪校サッカー部の新たな取り組みが救いとなった。(取材・文=THE ANSWER編集部・橋本 啓)
福島は中盤ボランチの一角として、1回戦から決勝までの全6試合に出場。175センチと平均サイズながら、球際での力強いボール奪取でピンチの芽をことごとく摘んだ。体格差のあるマッチアップでも「それを言い訳にしていたら戦えない」と真っ向勝負。大会期間中、中盤の潰し屋として存在感を放ち、優秀選手35名の1人にも選ばれた。
出身は佐賀県。小、中学校時代は地元のクラブでサッカーに熱中した。大津へ進学のきっかけは、サッカークラブで深い関係性を築き、大津の正守護神を務めた先輩GK西星哉(現・拓殖大)の存在があった。「憧れの気持ちで1回練習参加行ったら、もうなんか他の高校とは全く違う練習の雰囲気に圧倒されて。練習に行ったその日に大津に行きたいと思った」と明かす。
進んだ先は公立高校でありながら全国屈指の強豪校。部員数が200を超える大所帯のサッカー部で、福島は入学後、しばらく実戦機会を掴めずにいた。2年生だった昨年、そんな状況を打開するきっかけとなったのが、校内リーグだ。
大津はトップチームが高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグに参戦。2ndチームは1つ下のプリンスリーグ、県リーグ1部、2部にはそれぞれ、3rd、4thチームが所属する。週末はそれぞれのカテゴリーでリーグ戦を実施。校内リーグは、ここから漏れたメンバーによって、選手たちの自主運営で行われる。
「校内リーグからリーグ戦に行くっていう目標を皆が持っていて、バチバチの真剣勝負ができる。校内リーグはもう部員にとって必要で大事な存在」と福島。その効果は、てきめん。校内リーグでのパフォーマンスが認められ、およそ1年で4thチームから一気にステップアップする形で現れた。今やトップチームで不可欠なボランチの主力へ。その成長ぶりには、山城朋大監督も目を丸くして称える。
「1年生の時はレギュラーでもなかったですし、コツコツと足りないところを努力し続けてきた結果が、今では欠かせない存在になってきている。中学校時代の指導者の方々も、『彼がこんなに成長するの?』とおっしゃられていて、本当に驚きを持って連絡いただいたりもしました」
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