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陸上界に現れた17歳の次世代スプリンター 天真爛漫な100m女王「仏像になりそうに…」急カーブを描いた3年間の成長曲線――広島皆実・松本真奈

ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子100メートルで優勝した松本真奈(広島皆実3年)。7月上旬の日本選手権で5位入賞した17歳の次世代スプリンターは、地元開催の特別なインターハイで高校最速女王に輝いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

女子100メートルで追い風参考ながら11秒42の好タイムで優勝した松本真奈【写真:荒川祐史】
女子100メートルで追い風参考ながら11秒42の好タイムで優勝した松本真奈【写真:荒川祐史】

陸上・インターハイ 女子100メートル/広島皆実・松本真奈(3年)

 ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子100メートルで優勝した松本真奈(広島皆実3年)。7月上旬の日本選手権で5位入賞した17歳の次世代スプリンターは、地元開催の特別なインターハイで高校最速女王に輝いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

 ◇ ◇ ◇

 慣れ親しんだスタジアム。地元・広島の“風”が、ただの追い風以上に背中を押してくれた。

 女子100メートルのタイムレース決勝2組。選手紹介で一番の歓声を受け、松本は4レーンから飛び出した。中盤まで横一線。しかし、50メートルを過ぎると163センチの全身を使い、力強い腕の振りで抜け出した。そのまま押し切って1着。追い風参考ながら日本高校記録を0秒01上回る11秒42(3.0メートル)が表示されると、会場がどよめき、松本は力強く右拳を握った。

「まさか、(11秒)42が出ると思ってなくて……びっくりです」。本人も驚いた好タイム。最終3組を待って優勝が確定した。「地元で優勝することができて、何よりうれしいです」とトレードマークの笑顔を咲かせた。

 異例の開催方式を乗り越え、掴んだ戴冠だった。今大会は暑熱対策により短距離種目は準決勝を行わず、予選を通過した上位24人を3組に分けたタイムレース形式の決勝に変更。1日3本だったレースが2本になったため、予選から決勝まで7時間も空いた。

「休憩時間が長すぎて“仏像”になりそうだった。それくらい暇で……」と天真爛漫に明かす。「本当に眠たくなったけど、散歩に行ったり、チームメートとぺちゃくちゃ話したりしてリラックスして、なるべく体が固まらないように」。慣れない環境にも適応した。

 タイムレース形式で、組ごとで風の強さも変わる。しかも直前の1組でいきなり11秒47(追い風3.1メートル)が飛び出した。意識しない方が難しい。「思いのほか良いタイムで焦ったけど、ビビったらいけないと思ってガッと走った」と動じずに力を出し切った。

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