サッカー部員がSNS運用、スマホ片手に「チームのため」 決勝メンバー外から“広報”でインハイV支えた3年生の夏――神村学園高・由利倖大
7月26日から8日間、福島県で熱戦が繰り広げられた高校サッカーのインターハイ(総体)。昨年準優勝の神村学園(鹿児島)は、2日の決勝で大津(熊本)を延長PK戦の末に下し、悲願の初優勝を飾った。歓喜に沸くイレブンの横で、出場メンバーから漏れ「広報部」として精力的に活動する3年生部員の姿が。スマホを片手にチームを支え続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・橋本 啓)

高校サッカーインターハイ
7月26日から8日間、福島県で熱戦が繰り広げられた高校サッカーのインターハイ(総体)。昨年準優勝の神村学園(鹿児島)は、2日の決勝で大津(熊本)を延長PK戦の末に下し、悲願の初優勝を飾った。歓喜に沸くイレブンの横で、出場メンバーから漏れ「広報部」として精力的に活動する3年生部員の姿が。スマホを片手にチームを支え続けている。(取材・文=THE ANSWER編集部・橋本 啓)
厳しい日差しが照りつけるJヴィレッジスタジアム。神村学園の由利倖大(3年)は試合前、ピッチの周りを歩きながら首から下げたスマートフォンのカメラを電光掲示板へ向けていた。「インスタグラムにアップする写真や動画を撮らせてもらって、それを載せているんです」
神村学園サッカー部では、部員たちによる部署活動がある。由利が務める広報部の他、ユニホームの管理係や選手個々の能力を数値化するGPSデータの管理を担う「GPS部」など、種類は様々。広報部になった経緯について、由利は「1年生の頃に立候補みたいな感じでなって、今は僕と日高(元(はじめ)/3年)がやっているんです」と明かす。
部長は日高が務め、それを支えるのが由利だ。「はじめがスタメンで試合に出ることが多いので、自分が撮って送ったり、速報もしている」という。由利は今大会メンバーに登録されていたが、出場機会はなかった。決勝でも20人のメンバー外に。ベンチから選手を鼓舞する傍ら、広報部としての活動にも勤しんでいた。
SNSでの情報発信が欠かせない現代において、高校や大学の部活動ではSNSが活用される。インスタグラムを日々更新する今の姿を「想像してなかった」と明かした由利。先輩や専属カメラマンから手ほどきを受け始まった広報部としての活動に、当初は戸惑いを抱きつつも3年目を迎えた。
失敗談を問うと「試合の結果を送ってなくて、気づいたのが次の日でした。あとインターハイのメンバーを載せるのに時間がかかってしまって……。先生から『責任持て』と言われました」と苦笑い。一方で充実感も抱きつつある。
「やっぱり情報を発信することによって、いろんな人が見てくれてファンや保護者の方々が喜んでくれるので、こういう仕事もいいなと思います。もちろん、試合に出ることは大切なんですけど、今ある立ち位置でどう頑張るかしか頭にないです。今はサポートっていう立場でチームのために頑張るしかないと思っているので、チームのことを第一に考えながらやっています」
表彰後の記念撮影では、自らもユニホーム姿で混じり、優勝カップを掲げた。激闘後のピッチ上には、メンバー争いに敗れても、チームでの立ち位置を見失わない部員の姿があった。
(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)
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