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担架で運ばれ数分後、応援席もショック「まさか」 ベンチから見届けた悲劇の夏、高校サッカー主将“無念の8分間”――尚志高・西村圭人

尚志ベンチに掲げられた6番のユニホーム。チーム一体となって戦った【写真:橋本啓】
尚志ベンチに掲げられた6番のユニホーム。チーム一体となって戦った【写真:橋本啓】

「6番」のユニが象徴したチームの輪

 今大会で上位進出を果たしたチームを、仲村監督は「福島県を背負ってしっかり戦ってくれた」と称える。3回戦の桐光学園(神奈川)戦では、前半に1人退場者を出しながらも、PK戦までもつれ込む一戦を制した。「チームワークが良かった。めちゃくちゃ明るくて、チームの仲の良さとかっていうのがここまで来れたのかな」と、指揮官は頷く。

 神村学園戦のキックオフ直前、それを象徴するような場面があった。先発メンバー11人が集合撮影に応じる前で、ベンチにいた部員が一発芸を披露。その場には笑いが起こる。さらには「緊張なんて勿体ないよ!」と、後押しする声も。

 ベンチには、大会中に負傷離脱した小曽納奏(3年)のユニホームが掲げられ、集合写真にも「背番号6」の一着が収まった。「奏を決勝に連れていくっていう意味で」と、その意図を明かした西村。1人1人が支え合う、チームとしてのまとまりの良さが表れていた。

 悔しさを噛み締めたインターハイ。チームをまとめた西村の視線は、冬の高校選手権に向けた新たな戦いへ。「日々のもっと日常を変えて、選手権でこの悔しさの借りを返せたらなと思います」。さらなる高みを目指すべく、主将は力強く誓った。

(THE ANSWER編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)

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