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6時に練習終了、9時消灯&9時間半睡眠 夏3年ぶり甲子園の裏で…“質より量”と決別した名門・横浜の改革

高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は27日、横浜スタジアムで行われた決勝で横浜が昨夏の覇者・東海大相模に11-3で逆転勝利。3年ぶり21度目の夏の甲子園出場を決めた。昨夏から練習時間を敢えて減らす“コンディション調整術”を採用。現代的な取り組みで聖地行きを手繰り寄せた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

東海大相模に勝利し、3年ぶり夏の甲子園出場を決めた横浜ナイン【写真:中戸川知世】
東海大相模に勝利し、3年ぶり夏の甲子園出場を決めた横浜ナイン【写真:中戸川知世】

第107回全国高校野球選手権・神奈川大会

 高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は27日、横浜スタジアムで行われた決勝で横浜が昨夏の覇者・東海大相模に11-3で逆転勝利。3年ぶり21度目の夏の甲子園出場を決めた。昨夏から練習時間を敢えて減らす“コンディション調整術”を採用。現代的な取り組みで聖地行きを手繰り寄せた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

 最後まで手を緩めなかった。横浜は3回、先発・織田翔希(2年)が先制3ランを許す。それでも村田浩明監督は「長い旅をしっかり歩んでいこう。まだまだここからだ」とナインを鼓舞。奮起した打線は4回に一挙4点を奪い逆転に成功。5回に3点、8回に4点と猛打を浴びせ、3年ぶりとなる神奈川の頂点に遂にたどり着いた。

 2年連続、決勝で涙をのんだ昨夏から1年。名門は新たな改革に着手した。「練習時間の削減」だ。従来、夜8時までだった練習は6~7時に終了。メニューを削りつつ、質を高めた。食事時間も30分に制限し、寮の消灯時間は夜11時から9時に。睡眠時間は2時間増え、9時間半たっぷり取り、コンディション管理を徹底してきた。

試合終了直後、涙ながらにスタンドへ挨拶する村田浩明監督【写真:中戸川知世】
試合終了直後、涙ながらにスタンドへ挨拶する村田浩明監督【写真:中戸川知世】

 かつて根性論がまかり通った強豪校は夜遅くまで練習するのが当たり前だった。涌井秀章(現中日)らと2003年選抜準優勝を経験している村田監督は「もう昔とは違う。今の時代、彼らに合った指導法を僕が見出すことが大事」と変化を厭わず。“質より量”の前時代的な思考を捨て、現代的な試みで選手の能力を最大限引き出した。

 その取り組みは今夏、実を結んだ。決勝で2打点を挙げた3番・阿部葉太中堅手(3年)は「(練習時間が)減ってはいるけど、身体のコンディションが一番大事」と重要性を指摘。正捕手の駒橋優樹(3年)も「身体の状態も、心の状態も、試合に集中できるようになった」と変化を証言し、感謝する。

 決勝を含め3戦連続逆転勝ち。準々決勝の平塚学園戦は敗戦まであと1球から逆転サヨナラを飾った。炎天下で終盤まで続く体力や気力は、コンディショニング改革と無関係ではないだろう。甲子園は8月5日に開幕。「全チームの想いを持って、力がある限り戦い抜きたい」。1998年以来の春夏連覇へ、令和の指導にアップデートされた指揮官の目は既に聖地を見据えていた。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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