横浜エース激変の3日間 4タコ→2打席連発&逆転弾、猛暑でも夏一番の練習 信じたのは「変わらないこと」――横浜・奥村頼人
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は26日、横浜スタジアムで行われた準決勝第1試合で、春のセンバツ王者・横浜が立花学園に4-3で逆転勝ち。5年連続となる決勝進出を決めた。エースで主砲の4番・奥村頼人(3年)は本塁打2本を含む2安打4打点の大活躍。投げても9回に好救援した。「変わらないこと」を教訓に頂点を目指す。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第107回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は26日、横浜スタジアムで行われた準決勝第1試合で、春のセンバツ王者・横浜が立花学園に4-3で逆転勝ち。5年連続となる決勝進出を決めた。エースで主砲の4番・奥村頼人(3年)は本塁打2本を含む2安打4打点の大活躍。投げても9回に好救援した。「変わらないこと」を教訓に頂点を目指す。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
迷いなく振り切った。3点を先制され迎えた3回、奥村は中越えソロで反撃の狼煙を上げると、5回2死一、三塁で再び打席に立った頼れる4番。「今日勝負を決めるのはお前の一打だぞ」。村田浩明監督の檄に奮い立ち、右翼席に逆転3ランを叩き込んだ。両手を挙げて歓喜。9回1死から一打同点のピンチで登板し、0封する好救援で逆転劇の主役になった。
前戦の借りを返した。22日の準々決勝・平塚学園戦は初回、いきなり先制点を献上。2回にピンチを招いて早々と降板した。打者としても4打数無安打。9回2死から逆転サヨナラ勝ちを飾ったチームを投打の柱として助けられず。試合後は涙した。「今度は自分がチームを助ける番だ」。並々ならぬ想いで3日間、汗を流した。
投球、打撃において「身体が使えていない」という課題から練習量を追加。気温30度を超える猛暑の中で「楽をしたい」甘えも断ち切った。練習前のウォーミングアップには通常の4倍ほど時間をかけ、試合前日にはこの夏一番走り込んだ。
特別な変化を加えたわけではない。打撃も、投球もフォームは平塚学園戦と同じ。「変わらないことが大事だと思います」。上手くいかず、失敗しても己を信じ続ける――。3年間、名門・横浜で築き上げてきた努力に勝るものはないと理解している。
そんな過程と信念が生んだ殊勲の2ホーマー。村田監督も「今日は奥村はやれる日だと思っていた。彼はダメだった次がすごく活躍する」と苦笑いながら、エースの“反発力”に目を細めた。
秋、春に続く日本一がかかる横浜。次戦は27日、決勝で昨夏の覇者・東海大相模と対戦する。奥村は「色んな悔しさがある」と涙をのんだ1年前の決勝を回顧。それでも「自分たちのやることをやれば間違いない。それだけを信じてやりたい」。神奈川の頂点まで残り1勝。準決勝と“変わらない”姿で聖地行きの切符を掴む。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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