プロ注目の“逸材ショート”が野球を辞めかけた日 左利きグラブに救われ…今も忘れない小1の短冊――日大藤沢・半田南十
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は20日、保土ヶ谷球場で行われた5回戦で、日大藤沢が桐光学園に6-4で勝利。準々決勝へ駒を進めた。高校通算24本塁打の今秋ドラフト候補・半田南十(みなと)遊撃手(3年)は4打数3安打3打点の大活躍。1度、本気で野球を辞めようとした逸材が、甲子園出場とともに悲願のプロ入りへ歩みを進める。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第107回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は20日、保土ヶ谷球場で行われた5回戦で、日大藤沢が桐光学園に6-4で勝利。準々決勝へ駒を進めた。高校通算24本塁打の今秋ドラフト候補・半田南十(みなと)遊撃手(3年)は4打数3安打3打点の大活躍。1度、本気で野球を辞めようとした逸材が、甲子園出場とともに悲願のプロ入りへ歩みを進める。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
甲子園からプロ入りへ、夢に一歩ずつ近づいている。初回、3回、6回と、3度得点圏で打席に立った半田。いずれも二塁打を放つ勝負強い打棒を発揮した。「この夏初めて主将の仕事を果せた」。守備でも7回、二遊間を抜けそうな当たりにグラブを伸ばして捕球。1回転しながら送球し、アウトを奪取。攻守に非凡なセンスを発揮し、接戦をモノにした。
高校通算24本塁打を放つ、プロ注目の逸材だが、1度本気で野球を辞めようとした過去がある。小1で少年野球チームに入ってから、1年がたった頃、チーム事情で投手起用され、右肘を故障。8か月ほど腕を振れなくなった。「野球、辞めたいな」。大好きな野球がプレーできない。幼き少年にとってはあまりに重く、苦しかった。
救ってくれたのが両親だった。左利き用グラブを贈られ、「利き腕とは逆でもプレーできる」と励まされた。連れていってもらった高校野球に感動し、野球愛を再認識。「怪我で終わっていたら今の自分はない。家族みんな皆に感謝している」。今では整体に毎週通い、身体に気を遣うきっかけになった。
小1の七夕。小学校で短冊に書いた願い事は「ぷろやきゅうせんしゅになりたいです」。拙い字で書かれた無邪気な想い。それこそが、今も変わらず息子をサポートする両親の原動力にもなっている。「今も捨てられない」と母・典子さんは苦笑い。野球を辞めかけた小2から現在まで、半田はその想いを1度も忘れたことはない。
「プロに行けたら(今夏が)最後のアマチュア野球」と語るように、高卒から直接、プロ入り志望だ。それでも初心は忘れない。「感謝の気持ちを込めて、楽しんでいるところをみんなに見てもらいたい」。甲子園は夢に近づく絶好のアピールの舞台。野球を愛する気持ちを思い出させてくれた両親への想いを胸に、歩みを進める。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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