両校7安打なのに10点差コールドになったワケ 激戦区・神奈川で「1勝」をモノにする意識と努力――城郷
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は10日、大和スタジアムで行われた2回戦で、城郷が逗子葉山に13-3で5回コールド勝ちした。両校とも同じ7安打だったものの、得点には大差が。その裏に城郷が磨いてきた意識と努力があった。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第107回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は10日、大和スタジアムで行われた2回戦で、城郷が逗子葉山に13-3で5回コールド勝ちした。両校とも同じ7安打だったものの、得点には大差が。その裏に城郷が磨いてきた意識と努力があった。(THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
相手に生まれた隙を見逃さなかった。初回、逗子葉山に先制点を奪われる苦しい展開。それでも3回、相手の四球や失策に乗じて1点を奪い、なお満塁の大チャンスが訪れた。「ここで油断するな。残塁なしで全員で取りきろう」。チーム全体で声を掛け合い、打線は爆発。計8点を積み上げ、4回も4点で引き離し、勝負を決めた。
スコアボードの両校の安打は「7」が並んだが、得点は「13」と「3」。相手の混乱も利用し、いかに効率的に得点したかが勝負を分けた。
城郷の山崎修平監督は「バントやショートバウンドでの走塁を練習してきた。どんな試合展開であっても、自分たちのやるべきことをやる」とナインに叩き込んでいる思考を明かす。相手の守備が不安定なこともある1、2回戦から勝ち上がっていくために必要な意識。この日、相手は1失策にバッテリーエラーが計6つ。貪欲に次の塁、そして1点を奪いに行った結果が積み上がった13得点だった。
日頃から自主性を重んじているのが城郷のスタイル。「監督やコーチに言われてからでは遅い。自分たちで感じたこと、思ったことをしっかりとやりなさい」。指揮官の教えを元に、ナインは自らメニューを決め、日々の練習に取り組む。ただ、多くの強豪校がひしめく神奈川。夏の1勝すら簡単ではない。
「なかなか点数は取れない。じゃあどうやって自分たちに流れを持っていくのか」。考え抜いた結果が小技のレベルアップだ。週3日、1時間程度をバント練習に費やした。選手同士で、角度や飛距離を指摘。練習終わりにはダッシュを繰り返し、盗塁やショートバウンドでも進塁できるような走力を養った成果がこの日も表れた。
次戦は15日に3回戦で鶴嶺と対戦する。山崎監督は「春の大会や練習試合でも同じような展開で負けてしまった。自分たちで反省して次につなげられたることができた」と試合内容に満足感を示す。相手のミスを確実に突けるのも努力の賜物。細かな意識ひとつから勝負に徹し、近年阻まれている3回戦の壁突破を狙う。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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