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「選手の皆さんにお願いがあります」 高校野球、選手宣誓で異例の“提案”に込められた主将の想い――慶應・山田望意

高校野球の第107回全国選手権神奈川大会の開会式が7日、横浜スタジアムで行われた。組み合わせ抽選会で107人の希望者からくじを引き当てた、慶應の主将・山田望意(のい・3年)が選手宣誓。「皆さんにお願いがあります」と異例のメッセージを送った。1回戦は9日から始まり、決勝は27日に行われる。

開会式で選手宣誓する慶応の山田望意【写真:戸田湧大】
開会式で選手宣誓する慶応の山田望意【写真:戸田湧大】

神奈川大会開会式

 高校野球の第107回全国選手権神奈川大会の開会式が7日、横浜スタジアムで行われた。組み合わせ抽選会で107人の希望者からくじを引き当てた、慶應の主将・山田望意(のい・3年)が選手宣誓。「皆さんにお願いがあります」と異例のメッセージを送った。1回戦は9日から始まり、決勝は27日に行われる。

 7月7日、七夕。織姫と彦星に力を借りた。内野スタンドを埋め尽くす観客が詰めかけた横浜スタジアム。山田は172チームの思いを胸にマイクに向かって136秒間、言葉を紡いだ。予想を超える観客や関係者の多さに「75点です。圧倒された感じは少しあった」と辛口評価。それでも最後は堂々と大役を終えた。

「選手の皆さんにお願いがあります。今大会中、お互いの好プレーに対して、拍手や歓声を送り、称え合うことにしませんか?」

 宣誓の最中、突如、異例の呼びかけを行った。「本当にお互いを認め合い、リスペクトしあって試合を進めていきたいと個人的にずっと思っていました」と発言の意図を語る。「相手を称えることはやって損はない。大会にあったらすごい良いものになるんじゃないかなと思った」。伝統的に「エンジョイ・ベースボール」を掲げ、高校野球で常に常識にとらわれない先進的なスタイルを貫いてきた慶應の主将らしい想いが込められていた。

 6月14日の組み合わせ抽選会では、代理で出席した主務の田中良汰(3年)が選手宣誓のくじを引き当てた。「まさか自分が」と当初は驚きを隠せなかったものの「ここで自分が良いことを言えば、この大会が良いものになる」と重責をプラスに捉え、内容を馬場祐一副部長と相談しながら完成させた。

 最後は「私たち選手一同は、ありがとうの気持ちを忘れず、良い顔で常にチャレンジし続けることを誓います」と思いの丈をぶつけた。自分のためだけでなく、誰かに喜んでもらえるように。真剣な顔や野球を思いきり楽しむ顔でプレーできるように。観客からの万雷の拍手を受け、山田は“良い”表情でマイクに背を向けた。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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