名門・横浜野球部が異例「お笑い大会」開催のなぜ 高校野球の課題に一石、エース&主将が漫才で爆笑さらう

開催の意図は他にも「選手も野球ばっかりではなく…」
ただ、開催した意図はそれだけではない。「選手も野球ばっかりではなく、違うことをやってほしかった。野球だけやっていて相当疲れていたと思う。何か面白いことないか、何か野球につながることはないかなと考えたときにお笑い大会だった」。対外試合が禁止となる野球部にとってのオフシーズン。秋の日本一を掴んだ名門にとって、リフレッシュしながら野球に生かす舞台と考えた。
人前で漫才やコントを披露する。野球とはかけ離れたことのように思えるが、村田監督の考えは違う。「殻を破るだとか、自分を表現するとか、恥ずかしがらないことに繋がる」。試合に先発出場できるのはたったの9人。ベンチや客席から見守る部員も大勢いる。自己表現が苦手であれば、いざグラウンドに立った時に、持ち味を発揮できるか。勝負強さや対応力を見る機会にもなる。
漫才を披露した奥村頼は「日ごろ野球をやっていて思うんですけど、野球以外の部分でも、人前に立って緊張しないことが社会に出ても通用する部分だと思う」と必要性を強調した。また、コンビを組んだ阿部も「実際にやってみて、殻が破れたというか、なかなかグラウンド上で自分を出せない選手もいるので、そういった選手たちが一緒になって笑って、笑かしてという会になったのですごくよかった」と振り返った。
村田監督は、この催しが間違いなく成長につながると信じている。「僕はそういうのが大事だと思ってやったので。チームは明るくなったり、コミュニケーションは変わってきますよね」。自分の子供や部員たちが普段とは違った形で奮闘した姿に、保護者も大いに喜び、自分を表現することが苦手な選手も、変わるきっかけを掴んだ。
春夏通算5度の甲子園優勝を誇る全国屈指の名門。秋の日本一を掴んでなお、さらにチームが進化し、高校野球をより良いものにするために、チャレンジを止めない。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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