パリ五輪で2人の大学生スプリンターが感じた悔しさ 栁田大輝「知れたことが一番」鵜澤飛羽「限界はまだ上に」
9月19日から4日間行われた第93回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)。大学日本一をかけた熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、怪我や困難を乗り越えた選手など、さまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回はパリ五輪代表の東洋大・柳田大輝(3年)と筑波大・鵜澤飛羽(4年)。取材ではパリ五輪で感じた悔しさを語り、更なる飛躍を誓った。
陸上・日本インカレ
9月19日から4日間行われた第93回日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)。大学日本一をかけた熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、怪我や困難を乗り越えた選手など、さまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回はパリ五輪代表の東洋大・柳田大輝(3年)と筑波大・鵜澤飛羽(4年)。取材ではパリ五輪で感じた悔しさを語り、更なる飛躍を誓った。
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17日間に渡る熱戦を繰り広げたパリ五輪。閉幕からもうすぐ2か月になる。日の丸を背負って夢舞台を戦った柳田と鵜澤は日本インカレで取材対応。2人がパリから持ち帰ってきたのは悔しさだった。
陸上競技で日本のお家芸ともいえるのが男子4×100メートルリレー。2008年の北京、16年のリオ大会でメダルを獲得した。今大会も5位入賞。一方で2人はメンバーに名を連ねながらも決勝を走ることができなかった。
柳田は予選に出場するも、メンバー交代。決勝レースはスタンドから見届けた。「間違いなく、陸上をやっていて一番悔しい思いをした」と振り返る。一方の鵜澤は男子200メートルで準決勝に進出するも、バトンを手に走ることはなかった。「パリ五輪でリレーに選ばれなくて、ずっと納得できなかった」と本音を吐露した。
今大会、2人が同じレースを走ったのが男子100メートル決勝だ。柳田は10秒09(向い風0.4メートル)の好タイムで優勝。今季最後のレースを「これ以上ない締めくくり」と納得の表情を浮かべ、「決勝をスタンドから観たことは1つ経験になった。オリンピックの決勝を走らないことには悔しさは消えないけど、この悔しさを知れたことが一番大きかった」と前を向いた。
鵜澤は10秒28の5位。「今日走ってみて実力がなかったですね。今、納得しました」と真摯に受け止めた。それでも「もうちょっと上があるはずなんですけど……。自分の限界が見えてくる可能性もあるけど、まだまだ上にあると思っている」と飛躍を誓った。
大学日本一を決める日本インカレ。鵜澤も男子200メートルで優勝し、さすがの実力を示した。夢舞台で味わった悔しさも胸に走った今大会。強くなって、4年後のロス五輪で借りを返しにいく。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)