人口2400人、5か月屋外練習できない北国から全中4位 藤原拓也、土壇場のジャンプで伸ばした17cm
全日本中学陸上選手権が20日、福井運動公園陸上競技場で行われた。男子走り幅跳びでは藤原拓也(鶴居・3年)が6メートル93(追い風1.6メートル)で4位。屋外での練習がおよそ5か月できない北海道でも実力をつけ、全国大会で自己ベストを17センチ更新してみせた。
全日本中学陸上選手権が20日、福井運動公園陸上競技場で行われた。男子走り幅跳びでは藤原拓也(鶴居・3年)が6メートル93(追い風1.6メートル)で4位。屋外での練習がおよそ5か月できない北海道でも実力をつけ、全国大会で自己ベストを17センチ更新してみせた。
真夏の太陽を浴びた道産子が、自分を超えた。決勝4本目以降に進めるのは上位8人のみ。2本目を終えて9位だった藤原は、助走地点で大きく腰を反って前を見据える。勢いをつけた勝負の跳躍、自己ベストを17センチ更新する6メートル93をマークし、2位に浮上した。最終順位は4位だったものの、「自己ベストを更新できて本当に嬉しい」と納得の表情を浮かべた。
北海道・釧路中心地から北に33キロ、総人口2443人の鶴居村にある鶴居中に通う。屋外の砂場が使えるのは4~10月の約7か月。残り5か月は積雪などのため外で練習ができない。踏切動作や基本的な動きを徹底的に鍛え、室内練習場も活用して力を付けてきた。
6月の通信陸上釧路大会で6メートル76。当時の自己ベストを更新したものの、以降は跳び方に悩んだ。土壇場で考えたのは「自分を信じる」こと。3年間の想いが結実した一本になった。北海道にはない猛暑にも「思ったより耐えられて大丈夫でした」。地元から約1000キロ離れた福井は記憶に残る地になった。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)