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「鼻が曲がって頬が折れたくらい」 顔面3か所骨折の武相・森山惇がド根性2発 56年ぶり甲子園へ景気づけ

第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は9日、サーティーフォー相模原球場などで2回戦を行った。春の県大会を42年ぶりに制した武相は夏初戦、11-1で海老名に6回コールド勝ちを収めた。この中で2本塁打、6打点の大暴れを見せたのが「7番・左翼」で先発出場した森山惇(2年)だ。日焼けした顔に白いフェースガードが目立つ大砲が、1968年以来実に56年ぶりの夏の甲子園を目指すチームを勢いづけた。

顔面をフェースガードで覆った武相の森山惇は2本塁打の活躍【写真:山野邊佳穂】
顔面をフェースガードで覆った武相の森山惇は2本塁打の活躍【写真:山野邊佳穂】

第106回全国高校野球選手権・神奈川大会

 第106回全国高校野球選手権の神奈川大会は9日、サーティーフォー相模原球場などで2回戦を行った。春の県大会を42年ぶりに制した武相は夏初戦、11-1で海老名に6回コールド勝ちを収めた。この中で2本塁打、6打点の大暴れを見せたのが「7番・左翼」で先発出場した森山惇(2年)だ。日焼けした顔に白いフェースガードが目立つ大砲が、1968年以来実に56年ぶりの夏の甲子園を目指すチームを勢いづけた。

 春の王者の“目覚めの一発”となった。1点を先制された直後の2回無死一塁。森山が初球の真ん中直球を振り抜くと、打球は豪快な放物線を描き右翼スタンドに飛び込んだ。ダイヤモンドを1周する際には、思わずこぶしを握り締めガッツポーズ。「打った瞬間にいったと思った。後ろにつなごうと初球の真っ直ぐを狙っていて、入ったので嬉しかった」。さらに3回に右前適時打、4回には2死一、二塁から再び右翼席へ3ランを叩き込み、3打数3安打で6打点。初戦から大爆発した。

「誰がどう見てもバッティング」と、豊田圭史監督にも認められる打撃力。172センチ90キロと体格からして頼もしいが、実は昨年11月ごろから体を絞ってきた。武相野球部は、補食として毎日4個のおにぎりを食べるのが決まり事。一方で森山はこれを“免除”された。102キロあった体重を、キレよく動けるようにと一時は14キロも減らし「感覚的には変わらないけど、打球がライナーで伸びていくようになった」と成果を実感する。

 同学年の部員から「いつも元気」と評されるほどのキャラクター。アップでダッシュした後には「モリヤマックス!!」と絶叫するのが習慣だ。そしてこの日は、1か月前の練習試合で自打球が顔面を直撃した影響でフェースガードを着用して出場した。3か所骨折したというが、「鼻が曲がってほおが折れたくらい。間に合うかなと不安だったけど戻ってこられた」とニッコリ。ド根性を見せつけた。

 武相は今春、42年ぶりに県大会で優勝。ただ夏は昨年が4回戦、2022年が3回戦敗退と上位校に食い込めず、悔しさを味わってきた。森山は「3年生と甲子園に行きたい。今日のホームランと勝利は忘れて、次の試合に切り替えて頑張りたい」とキッパリ。56年ぶりの聖地へ、快音を響かせた根性男が、武相の夏を盛り上げる。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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