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メンバー20人で1人だけ部活動出身 技術の差を感じるも…神戸弘陵DF岡未來が体現する主将の姿【高校サッカー選手権】

第102回全国高校サッカー選手権は29日、各会場で1回戦が行われ、ニッパツ三ツ沢球技場第2試合で神戸弘陵(兵庫)が仙台育英(宮城)に4-0で勝利し、2回戦進出を決めた。次戦は前橋育英(群馬)と対戦する。DF岡未來主将はベンチ入り20人中で唯一、中学ではクラブチームではなく部活動出身。部活で学んだことを生かしたリーダーシップで、チームをけん引している。

唯一の部活動出身でチームをけん引した岡未來主将(手前)【写真:山野邊佳穂】
唯一の部活動出身でチームをけん引した岡未來主将(手前)【写真:山野邊佳穂】

神戸弘陵が仙台育英に4-0で勝利

 第102回全国高校サッカー選手権は29日、各会場で1回戦が行われ、ニッパツ三ツ沢球技場第2試合で神戸弘陵(兵庫)が仙台育英(宮城)に4-0で勝利し、2回戦進出を決めた。次戦は前橋育英(群馬)と対戦する。DF岡未來主将はベンチ入り20人中で唯一、中学ではクラブチームではなく部活動出身。部活で学んだことを生かしたリーダーシップで、チームをけん引している。

「0にこだわっていた」。完封勝ちを飾った試合後、DFラインを統率した岡主将はきっぱりと言い切った。4発量産した得点後も神戸弘陵イレブンは決して浮つくことはない。仙台育英のシュートを前半1本、後半0本に抑え、隙を与えなかった。

 出発点は夏に味わった屈辱にあった。今季は新人戦、総体、選手権を制し、県内3冠を達成。しかし、インターハイ初戦で強豪・青森山田(青森)に1-3で敗れ、全国レベルを知った。「足元や技術は通用する」と岡主将。課題は守備にあると実感した。球際、切り替え、ヘディングの3つを日々の練習から意識して取り組んできたことが、今日の結果に繋がった。

90分間、最後まで声を出し続けた岡【写真:山野邊佳穂】
90分間、最後まで声を出し続けた岡【写真:山野邊佳穂】

 そんなチームの中心にいたのが岡主将だ。地元・東谷中(兵庫)サッカー部出身。2年時には全国大会に出場し、ハイレベルな環境で打ち込んだものの、部活出身が少数派の高校入学後にはクラブチーム出身の選手と技術面で差を感じたこともある。それでも部活出身ならではの強みを武器にした。

「私生活は自分の方ができている」。学校生活と部活はどこかで繋がっているからこそ、私生活をより大切にする。中学で叩き込まれたのは挨拶や礼儀など、組織における基礎・基本。学校生活を正しく送れれば、応援もされる。高校でも部活で培った精神を体現。主将を託されるほど信頼は厚く、チームを引っ張ってきた。

「自分は声を掛けられる選手」と自負する通り、この日も90分間、最後まで声を出し続けた。筋トレやボール練習など自主練を毎日行い、体重を増やす努力をしてきたキャプテン。チームは4発快勝と全国でも通用する実力を見せた。次戦は選手権で優勝経験もある前橋育英と激突。全国トップレベルの強敵に、成長をぶつける。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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