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日本代表も舌巻く高校生シューター “並の選手”から覚醒した「努力の天才」絈野夏海の3年間

バスケットボールの第76回全国高校選手権「Softbank ウインターカップ2023」の女子決勝が28日、東京体育館で行われ、岐阜女子(岐阜)は59-63で京都精華学園(京都)に惜敗し、5年ぶり3度目の優勝はならなかった。エース・絈野夏海(3年・SG)は3ポイント8本を決めるなど31得点の大活躍。入学当初は「特筆すべき選手ではなかった」と評される“努力の天才”が、3年間の集大成で高校バスケファンに鮮烈な印象を残した。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)

シュートを放つ岐阜女子・かせ野夏海【写真提供:日本バスケットボール協会】
シュートを放つ岐阜女子・かせ野夏海【写真提供:日本バスケットボール協会】

ウインターカップ女子決勝

 バスケットボールの第76回全国高校選手権「Softbank ウインターカップ2023」の女子決勝が28日、東京体育館で行われ、岐阜女子(岐阜)は59-63で京都精華学園(京都)に惜敗し、5年ぶり3度目の優勝はならなかった。エース・絈野夏海(3年・SG)は3ポイント8本を決めるなど31得点の大活躍。入学当初は「特筆すべき選手ではなかった」と評される“努力の天才”が、3年間の集大成で高校バスケファンに鮮烈な印象を残した。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)

 第3Q終盤、会場の空気が一変した。残り6分15秒で最大16点差をつけられた岐阜女子だったが、そこから猛反撃。激しいディフェンスでターンオーバーを誘発すると、エース絈野が3ポイントシュートを連発し、じわじわと点差を縮めた。最終第4Qに突入する時には47-49と2点差に。準々決勝で強豪・桜花学園(愛知)相手に最大21点差をひっくり返したとあって、大逆転劇への気運が一気に高まった。

 結局4点差で京都精華学園に逃げ切られたものの、最後まで手に汗握る接戦を演じた岐阜女子には、観客席から惜しみない拍手が送られた。なかでも、桜花学園戦で37得点を挙げて劇的勝利の主役となった絈野は、この日も3ポイント8本を沈めるなど両チーム最多の31得点。高校バスケファンに鮮烈な印象を残した。

 安江満夫ヘッドコーチ(HC)は、入学当初の印象を「少しバスケットができる。シュート感がいい子だが、特筆すべき選手ではなかった」と振り返る。それでも、吸収力の高い絈野を、イチロー氏を引き合いに「努力を積み重ねる天才」と表現。「コツコツと一生懸命努力ができる。そういう子が育ってくれたことを、指導者として非常に嬉しく思う」と教え子の成長に誇らしげに微笑んだ。

 絈野自身は「性格上、コツコツしていくタイプ。あとは、必ずこのチームを日本一にしたいという思いがずっとあった。その目標を毎日胸に、手を抜くことはせずにしっかりやってらこれた」と胸を張る。安江HCの指導については「先生の仰ることは全て名言。一つ一つ逃さず、自分の心に留めるのが習慣になっていた。いつもそれが力になっていた」と感謝。「岐阜女子に来て良かった」と言い切った。

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