「僕はロングスローだけではない」 東山MF松橋啓太、冷静さが導いた殊勲の技あり弾
真田蓮司と「2人で日本一のボランチになる」
中盤から前線に出てフィニッシュワークに関わることが多い真田に対し、松橋は後方からのフィードで攻撃の起点作りを行う。役割の違いから、真田のほうが目立つ場面は多い。松橋が目立つ場面と言えば、驚異的な飛距離を誇るロングスローだ。
2年生の時、上級生と比較して空中戦に強くなかったため、試しに投げたら予想外に飛んだことから、これが武器となった。ロングスローを投げると、それが最大の武器と思われがちだが、松橋には東山で磨き直した基礎技術と冷静な判断力がある。「僕はロングスローだけではない。違うところを見てほしい気持ちはある。今日はミスが多かった。このままじゃ優勝できない。決勝では、今日以上のプレーを見せたい」と次戦にかける意気込みを語った。
もう一方の準決勝では、岡山学芸館(岡山)が勝利。ともに初の決勝進出で、初優勝を懸けた戦いになる。松橋は「昨年から蓮司とダブルボランチを組んでいる。2人で日本一のボランチになる。決勝戦は東山としては初めてですけど、僕たちの代で日本一にと、入ってきた当初から思っていた。日本一になる気持ちが強いほうが勝つと思う。チーム全員で気持ちを入れ直して挑みたい」と覚悟を示した。決勝戦は2日後の9日。前回大会の経験を糧に成長してきた力を存分に示し、優勝旗を持ち帰るつもりだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)