留学生を主将に任命 高校バスケ2冠京都精華、異例の挑戦「例がないのでやってみよう」【ウインターカップ】
コーチも知る陰の働き
2年の堀内が疲労骨折でU-17日本代表を辞退。落ち込んでいた時、寄り添ったのがキャプテンだった。陰の働きをコーチも知っている。
「1、2、3か月となかなか乗り越えることができなかったが、同じ寮で一番心配して、声をかけて励ましてきたのはウチェ。キャプテンとしての働きを大きく果たしてくれた。周りがウチェを支えて、ダメな時には愛情を持って厳しいことを言ったりもしていた。『ウチェを育てる』という気風がチームに生まれた」
堀内も「寮が一緒のウチェが声をかけてくれた。一番近い存在。チームメートが一番支えになってくれた」と感謝する。仲間の支えを受けて成長。ウチェ自身も「キャプテンになっていろんなことが見えてきた。コートの中でももっと声を出すようになった」と振り返った。
言葉の壁がある留学生をキャプテンに据えた京都精華学園の挑戦。選手も、コーチも不安を抱えてスタートしたが、夏冬2冠の結果を残してみせた。3年間、一緒に戦った柴田は「この1年間を通して、ウチェがキャプテンで本当に良かったと今は凄く思います」と汗を拭った。率直な言葉が成功を物語っている。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)