留学生を主将に任命 高校バスケ2冠京都精華、異例の挑戦「例がないのでやってみよう」【ウインターカップ】
夏のインターハイを制した女王が、冬も強さを見せて2冠を達成した。28日に東京体育館で行われたバスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子決勝。京都精華学園(京都)は札幌山の手(北海道)に99-81で勝利し、悲願の初優勝を果たした。校長でもある山本綱義アシスタントコーチは、ナイジェリア出身のキャプテン、イゾジェ・ウチェ(3年)を主将に任命。教え子たちは留学生に任せる異例の試みを成長の糧にした。
ウインターカップ女子決勝
夏のインターハイを制した女王が、冬も強さを見せて2冠を達成した。28日に東京体育館で行われたバスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子決勝。京都精華学園(京都)は札幌山の手(北海道)に99-81で勝利し、悲願の初優勝を果たした。校長でもある山本綱義アシスタントコーチは、ナイジェリア出身のキャプテン、イゾジェ・ウチェ(3年)を主将に任命。教え子たちは留学生に任せる異例の試みを成長の糧にした。
ウチェは京都精華学園の中心にいた。決勝でもチームトップの35得点、18リバウンドと大活躍。八木悠香(2年)、堀内桜花(2年)とともにベスト5に選ばれるなど、大会を通してチームを牽引した。「キャプテンにしてくれて本当にありがとうございます」。成長の機会を与えてくれた山本コーチのほうを笑顔で振り返った。
中高一貫校である京都精華学園で、山本コーチはほとんどの選手を中学から指導してきた。その1人であるウチェを思い切って主将に任命。「留学生をキャプテンにするというチームがどこを探してもない。例がないのでうちがやってみようじゃないか、という思いで始めた」。前例がない挑戦。当然不安もあった。
「まず言葉が確実に通じるかといったらまだまだ。周りの子たちがそのことをどう受け止めるかも心配だった」
一緒にチームを引っ張った3年の柴田柑菜も「初めはウチェがキャプテンになって自分たちも不安があった」と正直な心境を漏らす。しかし、努力がチームメートを動かした。「日本語がうまく伝わらない時もあったけど、ウチェが一生懸命日本語をうまく使って伝えようとしてくれていたから、自分たちも一生懸命聞き取ろうとした」と異国での奮闘に応えた。