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高校バスケ最後の試合で見せた人間力 敗北直後、中部大第一・小澤飛悠が走った背景

バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の男子準決勝が28日、東京体育館で行われ、中部大第一(愛知)は福岡第一(福岡)に64-76で敗れ、2018年以来4年ぶり2度目の決勝進出とはならなかった。U-18日本代表にも選ばれたキャプテンの小澤飛悠(3年)は、指導者の教えと日の丸を背負った経験を胸に、日常を疎かにしないことを大切にしてきた。「一番成長した部分だと思う」と胸を張る「人間力」は、最後のショットを打った後の行動にも表れた。

中部大第一の小澤飛悠【写真提供:日本バスケットボール協会】
中部大第一の小澤飛悠【写真提供:日本バスケットボール協会】

ウインターカップ男子準決勝

 バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の男子準決勝が28日、東京体育館で行われ、中部大第一(愛知)は福岡第一(福岡)に64-76で敗れ、2018年以来4年ぶり2度目の決勝進出とはならなかった。U-18日本代表にも選ばれたキャプテンの小澤飛悠(3年)は、指導者の教えと日の丸を背負った経験を胸に、日常を疎かにしないことを大切にしてきた。「一番成長した部分だと思う」と胸を張る「人間力」は、最後のショットを打った後の行動にも表れた。

 夏のインターハイと秋のU-18トップリーグを制し、今大会で3冠を狙う福岡第一を相手に、序盤は互角の戦いを演じた。第1クォーター(Q)は15-18、第2Qは17-14と、前半を32-32の同点で折り返した。しかし、第3Qで14-26とリードを許すと、第4Qでもその差を縮めることができなかった。

 最終スコアは12点差。残り時間が少なくなり、もう追いつくことはないと分かっていても、最後の最後まで戦う姿勢は崩さなかった。プレスをかけてボールを奪いに行き、諦めずにショットを放った。ブザーが鳴る中、バックコートでルーズボールを拾った小澤は無理な体勢から最後の一投を投じた。ボールはバスケットには入らず、無情にも観客席へと跳ねていった。

 高校バスケ生活の終わり。こみ上げてくる思いがあってもおかしくないが、小澤はうつむくことなく、下山瑛司(3年)とともに真っ先にボールを追いかけ、拾ってくれた人に一礼した。

「そういうところを見ている人は見ていると思う。西村先生や、監督もああいうところを適当にすると『なんで取りにいかないの?』『そういうところも人間力だよ』と言われていたと思う。今日は自然にできていたと思うし、なにも考えずにできるようになったと思う」

 常田健監督、西村彩アシスタントコーチの指導の下、大事にしてきたのが人間性だ。「『人間力の向上なくして競技力の向上なし』という言葉をかけられてきた。バスケットボールでは、日常の部分が試合に出る。床に落ちているゴミを拾ったり、挨拶を必ずしたり、靴を揃えたり、荷物を整理整頓したり。日本一になるチームや日本を背負う選手はそういうところからしっかりしている。監督や西村先生から、そういったことを教わった」。プレー以上に学んだ日頃の心構えが、小澤を大きく成長させた。

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