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中田英寿、中村俊輔ら指導 元日本五輪監督が語る一流選手の共通点

高い目標には「犠牲」つきもの

 また自発的に高い目標を持つことで備わる、モチベーションの高さの重要性も説く。

「友達と遊びたい、テレビゲームもしたい、練習もサボりたい、でも世界一になりたい。それは無理な注文です。高い目標を目指そうとすれば、犠牲になるものも出てくる。だから人に言われたことをやっているだけでは、疲れるし面白くないのは当然です。しかし、自分の意志で決めたことであれば、どんな努力も苦痛に感じないし、むしろ楽しんでできる。

 例えば中田は練習でクタクタになりながらも、寝る時間を削ってイタリア語の勉強をしていた。俊輔は試合の映像を(例えるならば)テープが擦り切れるほど繰り返し見ては実際に蹴る、を繰り返し研究していた。彼らには覚悟を決めて目指す高い目標があり、それに向かって無駄な時間は削り、努力を続けていたのです」

 メンタル面では、育成の段階での家族の関わり方も重要、と山本氏。

「育成の段階ではトレーニングやチーム内の競争のレベルが上がると、子どもが試合に出られない時が必ず出てくる。その時の親や周囲の人の関わり方が、後の子どものスポーツへの取り組みにものすごく影響します。

“試合には出られなかったけれど、頑張って練習してきたよね”“前よりもうまくなってるんじゃない”と声をかけることが大切。子どもたちはチームや先生だけでなく、親や周りの関わりがあって伸びていくので、そういう面にも着目することが必要でしょう」

【了】

長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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