「迷宮入り、それもいい」 国学院久我山がイチロー氏に学んだ“悩むこと”の必要性
「野球の神様」だったイチロー氏に見た人間らしい側面
絶対的な自信があり、不安なんてない。そんなイメージを抱いていたイチロー氏も、悩むことがあると聞いた。「僕たちからすると野球の神様。親近感、イチローさんの人間らしい側面を見た」と尾崎監督。「考えてすぎて、迷宮入りする。それもいい」。“打って当然”に近い期待を向けられ、プレッシャーと戦い続けてきた大打者からの金言は胸に響いた。
「頭を使った野球」が久我山の伝統。現在は新型コロナウイルスの感染対策で、全体練習を行っていない。曜日や時間を限定したうえ、グラウンドでは5人程度のグループに分散し、ポジションを超えての接触は控えている。個人で考えて工夫することが習慣化しているが、そこにイチロー氏の教えがプラスされたことで、この時期もより前向きに過ごせている。
指導を受けた選手は今まで以上に細部を考え、自分と“対話”できるように変わったと感じている指揮官。「(イチロー氏が)現役、高校時代から考えていたことを全てあのグラウンドに落としてくれた。全て拾わせていただき、今に活かしています」。春夏通じて7度目の甲子園だが、これまで夏1勝、春は未勝利。レジェンドに報いるためにも、まずはセンバツ初勝利へ準備を進める。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)