鈴木誠也を育てた二松学舎大付の名将 サヨナラ負け選手に送る金言「負けを認めない」
高校野球の秋季東京大会は7日、決勝が神宮球場で行われ、夏春連続の甲子園出場を狙う二松学舎大付は3-4で国学院久我山に敗れ、準優勝に終わった。2点リードで9回2死までこぎ着けるも、3点二塁打を許して逆転サヨナラ負け。市原勝人監督は「課題が目につく負け方は、これからの肥やしになる」と教え子の奮起を期待しつつ、鈴木誠也(現広島)らOBを例に出し「素直な気持ちを持つこと」の重要性を説いた。
秋季東京大会・決勝で敗れた二松学舎大付・市原監督「これからの肥やしに」
高校野球の秋季東京大会は7日、決勝が神宮球場で行われ、夏春連続の甲子園出場を狙う二松学舎大付は3-4で国学院久我山に敗れ、準優勝に終わった。2点リードで9回2死までこぎ着けるも、3点二塁打を許して逆転サヨナラ負け。市原勝人監督は「課題が目につく負け方は、これからの肥やしになる」と教え子の奮起を期待しつつ、鈴木誠也(現広島)らOBを例に出し「素直な気持ちを持つこと」の重要性を説いた。
センバツへの切符が遠のいた。2点リードの9回、好投してきた先発・布施東海(とうかい)が2死満塁のピンチを迎える。この日143球目を相手の4番・成田陸に右越えに運ばれ、走者一掃。あと一人から逆転サヨナラ負けとなった。市原監督は「粘り強く投げたが、悔しさを忘れないでほしい。9回にギアを上げられる投球ができれば」と左腕を労いつつ、課題も挙げた。
まだセンバツ出場の可能性は残るが、心中は複雑だ。「『もしかしたら』というモチベーションで成長できるなら『諦めるな』と伝えたいし、逆効果なら『諦めろ』という形になると思う」。夏は東東京大会を制して甲子園に出場。新チーム始動は他校より遅かったが、ここまで勝ち進んだ。「今日粘れなかったことを、夏まで耳にタコができるくらい言いたい」と粘り強いチームを目指す。
市原監督は二松学舎大付を春3度、夏4度の甲子園に導いている名将。鈴木誠也、秋広優人(現巨人)らプロとなった教え子も多く、今秋のドラフトでも秋山正雲投手がロッテから4位指名された。一流選手に近づくため必要なものを聞くと「苦い経験をたくさんすること、素直な気持ちを持つこと」と語った。
「誠也も悔しい思いをたくさんしてプロで頑張っている。リスペクト、素直な気持ちが大切。誠也は大谷選手(現エンゼルス)や藤浪選手(現阪神)と同期だけれど、会うと『アイツ凄いですよ!』と言ってくる。認めるものは素直に認めて、でも悔しさは忘れず、負けを認めないことが大事なんだと思います」
日大三、帝京など多数ある東京の強豪校を「リスペクトしながらも、負けは認めない」。二松学舎大付に古くからあるこの“伝統”を、鈴木や秋広らには共通して感じていた市原監督。あと一人から優勝を逃したナインには、悔しさを糧により強い選手になってくれることを願っていた。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)