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ロングスローから劇的同点弾 相洋、“セットプレーの脅威”再び…夏冬全国に王手

例年以上にセットプレー練習を徹底

 ロングスローは近年、育成年代で大流行し、もはやどのチームも使うスタンダードな技術になりつつある。しかしながら、普段は連係攻撃に多くの時間を割くチームがほとんど。実際には、見よう見まねで投げるだけで、簡単に弾き返されてカウンターを受けるチームもある。ロングスロワーが希少だった以前は、見慣れない軌道に守備側の対応が遅れることが多かったが、いまや単に遠くへ投げるだけでは、相手も見慣れた軌道。よほどヘディングの強い選手がターゲットを務めるか、そうでなければ、スローインを受ける側の選手の位置取りや連係まで磨かなければ有効には使えない。

 相洋の綱島陽介監督は「コロナ禍で練習ができず、どこのチームも流れの中からの得点は難しい。今年に入ってから、セットプレーを磨いてきた。最初はあまり合わなかったが、どうやって(軌道に)入っていくかというところが少しずつ共有できて、かなり武器になっていると思う」と、例年以上にセットプレーを磨いてきた背景と手応えを語った。元々、一発勝負のトーナメント戦は、互いに守りが堅く、セットプレーが勝敗を分けることが多い。コロナ禍における練習、実戦不足を補って勝利を目指す方法と、トーナメント戦の特徴がマッチした格好だ。

 決勝戦は13日に行われ、相洋は桐光学園と対戦する。主将の後藤は「インターハイの県予選では勝っているので、相手の(自分たちを倒しに来る)気持ちは強いと思う。それをねじ伏せる気持ちで戦いたい」と語った。セットプレーという大きな武器を引っ提げて、選手権で初の全国出場を狙う。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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