ロングスローから劇的同点弾 相洋、“セットプレーの脅威”再び…夏冬全国に王手
第100回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は、6日にニッパツ三ツ沢球技場で準決勝が行われ、第2試合は相洋が延長戦の末に3-2で三浦学苑を破って決勝進出を果たした。相洋は夏の全国高校総体(インターハイ)で初めて全国大会に出場。県大会で7得点中6得点をセットプレー絡みで奪ったが、冬もこの武器は健在だ。この日の3得点のうち2得点は、ロングスローでゴール前に押し込んだところから生まれたものだった。
相洋が三浦学苑に3-2で勝利、高校サッカー選手権神奈川県大会で決勝進出
第100回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は、6日にニッパツ三ツ沢球技場で準決勝が行われ、第2試合は相洋が延長戦の末に3-2で三浦学苑を破って決勝進出を果たした。相洋は夏の全国高校総体(インターハイ)で初めて全国大会に出場。県大会で7得点中6得点をセットプレー絡みで奪ったが、冬もこの武器は健在だ。この日の3得点のうち2得点は、ロングスローでゴール前に押し込んだところから生まれたものだった。
1点目は、先制点。技巧派が揃う三浦学苑に押し込まれる展開だったが、前半37分にMF杉本颯太(3年)のロングスローから、相手のクリアボールをMF工藤瑠太(3年)がダイレクトボレーでゴールに叩き込んだ。スローインよりも高度なシュートを褒めるべき場面だが、スローインを取れば点が取れるという共通認識が、試合の終盤に生きた。
試合はその後、三浦学苑に2点を奪われ逆転されてしまう。ところが最後の最後、後半アディショナルタイムに右サイドのスローインを得た。もちろん、投げるのは杉本。ターゲットとなったのは、長身FW進藤翼(2年)だが、ほかに2人がそれぞれ別方向から落下点へ飛び込んだ。密集地帯で進藤が触れたボールは、ファーサイドへ流れる。MF松澤好輝(2年)が折り返しのパスを送ると、相手がクリアしきれずに宙に上げたボールを、MF吉田優希(3年)が体勢を崩しながらもヘディング。意地でゴール方向へ飛ばしたボールを進藤が競り、バウンドしたボールをFW佐藤天真(2年)が体軸を回転させながら技ありのボレーでシュート。これを相手がクリアしきれずにゴールとなり、プレーが再開する前に後半が終了。土壇場で追いついた。
主将を務めるDF後藤康介(3年)が「本当に諦めない気持ちが前面に出たゴール」と話した劇的な一撃。決めた佐藤は「ロングスローの練習は、たくさんしてきた。あの形をいつも狙いながら、自分が絶対に決めてやろうという気持ちを込めて蹴った」と手応えを示した。ロングスローから4人が執念で触ってネットを揺らした一発は、軌道への対応、こぼれ球への反応といった準備があって実現したものだ。後半ラストプレーで追いついた相洋は、勢いを生かして延長前半に松澤が加点。再逆転に成功し、激戦を制した。