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初心者もいる最強女子ホッケー部 インハイVの岐阜各務野が見せた「大会中の成長」

翌日から始まる新たな戦い

 今大会は大雨の影響を受け、決勝戦が行われず、岐阜各務野と石動の二校優勝となった。長尾監督と選手たちは喜びもつかの間、次の大会での単独優勝、そして3冠達成に向けた課題を口にしたのは、決勝戦で戦うはずだった石動も3試合で19得点無失点と、岐阜各務野と同様の充実ぶりをうかがわせていたからだ。

「初心者には初心者の、経験者には経験者の課題。彼女たち自身が自分たちの課題を痛感した。問題はここから。痛感したことを明日からの練習で修正していけるか。見つかった課題をひとつでもクリアしないと、次は勝てないです。(初心者は)ここから先、精神力だけでは乗り切れない部分が出てくる。(この大会で)自信がついたので、そこに今度は足りていない技術をつけていかないといけません。

 経験者は、例えば佐々木も決めてはいるんですが、今日の最後のシュートのように、誰もが決めてくれただろうと思う(フリーの)シュートが、決めきれないんですよね。あれが決められないと、うちとしてはもうひとつ楽にはなれない。彼女にさくらジャパン(ホッケー日本女子代表)を目指すという大きな目標がある以上、あそこで決めきれる選手にならないとダメです」(長尾監督)

 待っているのは他校との戦いだけではない。まずはチーム内の激しい競争に勝たなくてはいけない。今大会、毎日会場に通い、空のペットボトルを叩いてスタンドから応援していた1年生も追いかけてくる。

「この試合を観て、興奮した後輩たちが『次は、私』と思っているはずです。中にはしたたかに狙っている子もいる。まずは次の大会で自分がレギュラーとして残留できる権利を勝ち取ることが最優先。1年生が食い込んできた時に、抜かれないように努力していかないといけない。これ(インターハイ優勝)で満足して、うかうかはできないんです」(長尾監督)

 大会を通じて成長し、終わった瞬間からまた次の戦いが始まる。それこそが、強豪校が強豪であり続ける“伝統”の強さだ。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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