コロナ禍で夏を失った先輩の後押し ホッケー・田辺高の「絶対1勝」を叶えた1本の動画
全国高校総体(インターハイ)ホッケー競技は、悪天候で小矢部陸上競技場(天然芝)が使用できなくなったため、日程を変更。男女とも決勝を行わず準決勝までの開催となった。
全国高校総体・ホッケー、女子1回戦で田辺が名古屋商業に2-0勝利
全国高校総体(インターハイ)ホッケー競技は、悪天候で小矢部陸上競技場(天然芝)が使用できなくなったため、日程を変更。男女とも決勝を行わず準決勝までの開催となった。
15日、一日遅れで女子の1回戦が行われた。12大会ぶり、初の男女アベック出場を果たした田辺(和歌山)は名古屋商業(愛知)を2-0で下し、各務野(岐阜)の待つ2回戦へと駒を進めた。
「味わったことのない夢の舞台」に立った田辺の宮坂碧キャプテンは、意外にも「緊張せず、落ち着いてできた」と話す。
気持ちをほぐしたのは、会場に向かうバスの中で何度も見た1本の動画だった。
「(県)総体のときに、一つ上の先輩から、先輩方の応援メッセージをつないだ動画をいただきました。まさかそういう動画をいただけるとは思っていなかったので、すごく感動して。総体に勝って、『勝ちました』と報告をしたら『次もこの動画を見て頑張ってね』と言われて、勝ち進むたびに繰り返し見てきました。
インターハイは先輩がずっと目標に掲げてきた大会。去年コロナで中止になったので、先輩たちの気持ちも背負って、絶対に1勝するという気持ちがありました」
2年分の思いを背負い、立ち上がりから積極的なプレーで主導権を握った田辺は、敵陣で攻めこむ時間が続く。第1クオーター(Q)13分、FW山根奈菜子(3年)が押し込んで先制。第2Q27分には、ペナルティーコーナー(PC)から宮坂が追加点を挙げた。
後半は、名古屋商業に対応されて、右サイドからの攻撃を封じられるが、相手の猛攻をしのぎ切って2-0で完封勝利を収めた。坂本倫嗣監督は「前半に2点取れたことが大きかった。後半は相手がガツガツきた中で0点に抑え、粘り強く頑張ったと思う」と評価。貴重な追加点で試合の流れを決めた宮坂は、「大事な大会は全部決めてきた。私が決めたら流れがくると思っていたので、決まった時はうれしかったです」と自信をのぞかせた。