日本中を驚かせた金メダル、原点にあった女子選手への敗北と父の言葉
初めて挑んだ柔道の公式戦で女子選手に敗退した中学生がその後、金メダリストとなった――。まるでマンガのような展開だが、実話である。その人物とは、アジア人史上初となる五輪3大会連続金メダルを獲得した柔道家・野村忠宏さんだ。
初の公式戦で女子選手に敗れた少年が金メダリストへ
初めて挑んだ柔道の公式戦で女子選手に敗退した中学生がその後、金メダリストとなった――。まるでマンガのような展開だが、実話である。その人物とは、アジア人史上初となる五輪3大会連続金メダルを獲得した柔道家・野村忠宏さんだ。
祖父・彦忠さんが柔道の道場を手掛けていた野村さんは小学校の頃から週3回の稽古に励んでいたものの、水泳やサッカー、野球などにも取り組み、柔道1本に絞ったのは中学校に入学してからだった。
そして中学1年生で迎えた初の公式戦。「体が小さかったこともあってナメられたくなかったので、学校では肩で風を切って歩いていました」という少年は自分の存在を誇示しようと、周囲に「週末、オレの柔道の試合があるから見に来てくれ!」と声をかけたという。
しかし当時待っていたのは残酷な現実だった。初戦で対戦した女子選手にまさかの敗北。「悔しいよりも恥ずかしかった」――。