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だから、前橋育英は勝てた 悔し涙が生んだ“合言葉”「あの敗戦があったから…」

主将としてチームをまとめ上げたMF田部井涼【写真:編集部】
主将としてチームをまとめ上げたMF田部井涼【写真:編集部】

指揮官が試合前にかけた言葉「前橋育英にビビっているってことなんだよ」

 さらに、この日の試合後、DF松田陸は「練習でも『青森山田だったらもっとやってるぞ』とゲキを飛ばされてきた。ずっとこの1年間、頭に置いて取り組んできた」と振り返ると、DF後藤田亘輝は「あの負けがなければ、これほどまでにこの舞台に戻ってきたいという思いは湧かなかったと思う。あの負けが今日に繋がった」と語った。

 DF角田涼太郎は「あの(昨年決勝の)ピッチに立っていて、ボロボロで歓声も全部、相手チームのものだった。今日は自分たちへの歓声を楽しむことができた。0-5で負けた時の思いを持っているだけで全然違った。それがチームを動かす大きな原動力だった。あの負けがあったから、今の優勝がある」と昨年の明確な違いを実感していた。

 4人とも、2年生ながら昨年の悲劇のピッチに立っていた選手だった。

「準優勝止まりのイメージがついてしまっているのは、私自身が持っていないからなのかもしれない」と山田監督は苦笑いを浮かべながら、自虐的な発言も残してきた。いつの間にか前橋育英には、シルバーコレクターのイメージが定着してしまっていた。

 そして、迎えた今大会の決勝。流通経大柏は従来の4バックではなく、守備的な5バックを導入してきた。これを受け、山田監督は選手たちに熱い言葉を投げかけ、ピッチに送り出した。

「この決勝という舞台で、それまでとは異なるシステム変更を施してきたのは、どういうことかわかるか? 前橋育英にビビっているってことなんだよ。前橋育英はおっかないと思われている証拠なんだぞ」

 5バックの一角を務めるDF三本木達哉が刺客として、今大会得点王を走るエースFW飯島陸にマンマーク。飯島はプレーの制限を余儀なくされたが、割り切ってDFを引きつけてスペースを生み出し、チームメートが入り込める隙間を作り続けた。

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