NBA目指す兄へ「一歩近づいた」 明成・八村阿蓮、日本一を引き寄せた先制スリー
狙っていたアウトサイド…相手守備陣も脱帽「本当に嫌だった」
八村は「最初のスリーは、打つと決めていました。入って良かったです。最初は絶対にスリー。一回、外のスリーを決めてしまえば、相手は井上も周りも必ず寄ってくるので、そこからドライブを考えていたので、あの3ポイントはデカかったと思います」と明かした。
八村がアウトサイドでボールを持っても、外角シュートがないのであれば、井上は間合いを空けて守ることができる。しかし、3ポイントを決められるとなると、寄せなければならない。福岡大大濠は、井上のカバーを意識したが、その分だけマークが甘くなった別のエリアから明成の外角シューター田中裕也に3ポイントを決められた。当然、田中のマークに行けば、井上のカバーが甘くなる。後半に明成の主力にファウルが重なったことで最終的に接戦になったが、明成が攻守で主導権を握り、前半で49-33と大きくリードしたことは、一つの大きな勝因だった。
八村をマークした井上は「自分が守れなかった。インサイドで勝負してこないことは分かっていたけど、最初のスリーを簡単に決められたところから甘かったと思う」と悔やんだ。福岡大大濠は、片峯聡太コーチから守備でリズムを作るようにと指示されていたが、主将である永野聖汰は「相手の3ポイントがたくさん入って痛かった。八村もスリーを打つようになっていた。抑えに行けば八村のインサイドがあって、やりにくかった。本当に嫌だった。相手のペースでやられた。守備がうまくいかず、攻撃もうまくいかず、空回りした」とプランを崩されたことを明かした。
「インターハイが終わってから、中と外でバランス良く攻めるプレーをやろうと思って練習をしてきました。(井上)宗一郎は自分より身長が高いので、外からプレーして、ファウルを誘ったり、ドライブをして(カバーに来る相手を引き付けて)外にパスを散らしたり、ガードのような役割も意識してプレーしました」と話した八村が放った最初のスリーの威力は絶大だった。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)