浴びせられた辛辣批判 女子バレー竹下佳江さんはいかにして逆境越えたのか
競技から一度距離を置いたことで再確認した「喜び」
「バレーボールがこんなに楽しかったんだと再確認したんですよね」
その後、周囲のサポートもあり、竹下さんは半年後にJTマーヴェラスで復帰を果たした。
「バレーから離れていて生活していると、身体が痛くなるってことはほとんどないんですよね。でもバレーを再開するに当たって、初めての練習の翌日は痛いところが出ました。この感覚は久々で『ああコートでプレーしているんだな』と喜びを実感できました」
打ち込んできたバレーボールから一度距離を置いたことで「ちょっとずつ引き出しが増えていきました。代表復帰には2年かかりましたけど、最初に選ばれた頃よりも余裕ができたのかな」と振り返る竹下さん。全体の状況を見極める必要があるセッターとして、視野を広げるきっかけにもつながったようだ。
実力アップのためには競技に集中して打ち込むことはもちろん重要だ。しかしそれと同時に、他の世界を見ようとする心の余裕もどこかに持っておくことが、アスリートには必要なのかもしれない。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer