鳥栖U-15が3年ぶり中学年代日本一 延長の末、決勝弾の先田颯成「出来るだけ早く世界へ」
近年アカデミーの強化に注力する鳥栖
中盤の球際で激しく争う戦いは、まさに頂上決戦。死闘は80分では決着がつかず、延長戦に突入した。延長戦でも互いに譲らなかったが、最後の最後に鳥栖U-15が鋭い攻撃を突き刺した。試合時間残り4分、テンポよくドリブルとパスを織り交ぜた速攻を展開。中盤の底から持ち味である運動量を生かして前に出たMF先田颯成(3年)がドリブルでゴール前まで持ち込み、シュートを決め切った。
これが決勝点。鳥栖U-15の森恵佑監督は「守備から、いかに攻撃につなげられるかを考えて、ブロックの高さをコントロールしながらやれた」と押し込まれながらも反撃の狙いを持ち続けて勝利を手繰り寄せた選手を称えた。前回は準優勝。あと一歩の悔しさを知る選手たちが、日本一に輝いた。
鳥栖は近年、アカデミー(育成組織)の強化に注力しており、アンダーカテゴリーから世代別日本代表選手やトップ(プロ)昇格選手を輩出している。決勝点を決めた先田は、U-18昇格が内定。「(鳥栖U-18からトップ昇格を果たし、主軸として活躍しているMF)松岡大起さんとか、良い手本を間近で見られる。最近はシュートに積極的で、ボールを奪ってからすぐ前に行くプレーをしている印象があるので、見習っていきたい。1学年上には(U-16日本代表の楢原慶輝ら)代表レベルの中盤の選手がたくさんいて、そこと戦っていくのが分かっていて上がるので、高いレベルの中で見習いつつ、負けない自分の良さを出したい。なるべく早くAチームで試合に出て、プロのピッチにもできるだけ早く出場して、世界に行きたい」と活躍中の先輩の背中を猛スピードで追いかける意気込みを示した。U-15日本一に満足せず、その先へ。一つの山の頂点から、次の頂を目指す。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)