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市立船橋、延長残り30秒でドラマ 初出場3年生のV弾で全国切符「監督が泣いていて…」

どちらも譲らない一戦、鋭く強烈なピリオドが打たれた。第99回全国高校サッカー選手権の千葉県大会は15日にフクダ電子アリーナで決勝戦を行い、市立船橋が延長戦の末に1-0で流経大柏を破り、2年連続23回目の全国大会出場を決めた。

劇的なV弾で全国切符をもたらした市立船橋MF岩田【写真:平野貴也】
劇的なV弾で全国切符をもたらした市立船橋MF岩田【写真:平野貴也】

千葉決勝で流経大柏に延長1-0勝ち、主将「のどが潰れるくらいに叫んだ」

 どちらも譲らない一戦、鋭く強烈なピリオドが打たれた。第99回全国高校サッカー選手権の千葉県大会は15日にフクダ電子アリーナで決勝戦を行い、市立船橋が延長戦の末に1-0で流経大柏を破り、2年連続23回目の全国大会出場を決めた。

 スコアが動いたのは、延長戦後半。市立船橋がカウンターで攻め上がり、延長戦前半から途中出場したMF岩田夏澄(3年)が右からパスを受け、ペナルティーエリアのすぐ手前から豪快なミドルシュートをゴール左へ突き刺した。岩田は「ロングシュート、ミドルシュートは、自分の長所。交代で出場したときから、シュートは絶対に狙おうと思っていました。シュートは、ファーストタッチが命。左足で良い所に置けて、右足を振れたので、とても良い形でした」と勝負を決めた一発を振り返った。ゴールが決まって市立船橋のイレブンが喜ぶ中で、電光掲示板が示した時間は延長後半9分30秒。残り30秒の一撃が勝敗を分けた。

 岩田は、攻撃の主軸。波多秀吾監督も「(身体の)サイズはないが、サッカーをよく知っている子。テクニックがあり、本来ならスタート(先発)で使うべき選手」と認める選手だが、今大会はこの試合が初出場。大会開幕の1週間ほど前、練習中に左足の肉離れを起こし、状態が万全ではないため、短い時間での起用。岩田は「もしかしたら試合に出られないかもしれないと思っていましたが、ほかの中心選手がやってくれると思っていましたし、自分に出場機会があったら、役に立てるようにと思っていました」と出られないまま終わるかもしれなかった大舞台で出番を待っていた気持ちを表現した。

 苦しい試合の苦しい場面で、ようやく帰ってきた主軸の一発。主将を務める石田侑資(3年)は「(岩田は)普段はふざけているキャラクターですが、練習に対しては本気で取り組んでいる選手。(後方から見て)夏澄がファーストタッチで良い所にボールを置いた瞬間、何かが起きると思いました。シュートが決まった瞬間は、のどが潰れるくらいに叫びました」と、その価値を噛み締めた。

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