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練習1本の「意識」で成長は変わる 金藤理絵から水泳部へ“金メダリストのエール”

練習の質を高める「意識」の持ち方「言われて、ただ10本こなすのか…」

「タイムのベストが出ない時のモチベーションの保ち方」については「上手くいかない時は自分の粗探しになっていたと反省していたことがあります」と共感。不調な時は、課題ばかりに目が行きがちだったという。

「その中で頑張って1つでもいいから、いいことを探すようにしました。つけている日誌も『これができなかった』で終わらないで『これはできなかったけど、これだけはできた』と。できたことを大切にして、少しでもポジティブでいられるように考えていました」と体験談を明かした。

「長い練習の日の意識も持ち方」については、大学時代に1日で30キロ、1週間で150キロを泳いだという過酷な経験を伝えた。「当時は1日8時間、水の中にいて『早く終わって』と思っていました」と笑うが、その中で意識したのは「1つでもいいので、気を付けることを考える」だ。

「この練習はキャッチを意識しよう、大きく泳いでみよう、テンポを上げてみようって、全部を同じ目標でやろうとするのではなく、目標を1本ずつ変えていくといいのかなと思います」と練習の質を高める意識の持ち方を説いた。

 加えて「この練習をやるだけで強くなれる。プラス、自分が意識してこの練習をやることができたら、もっと強くなれる。“強くなれるポイント”が貯まっていくと考えるといいのかな」と独自の考え方を語った。

「自分がメニューをどうこなすか。(コーチに)言われて、ただ10本こなすのか。自分で1本1本工夫して意味のある10本にするのか。『浮き上がりを頑張るので見ていてください』と、自分が見てもらいたいことを先生に言ってフィードバックしてもらうこともいいと思います」とアドバイスした。

 経験を伝えるだけでなく、対話も心がけた。「大会が中止になり、自分が目指すべき目標を見失いそうになっている」という悩みを打ち明けた3年生に対しては「誰かと話すことで、気持ちの整理をしていくこと。実際にやってみよう」と言った。

「高校生活の目標は何だった?」「水泳の目標は?」「水泳はこれから続けたい気持ちはある?」と問いかけ、高校生の思いを引き出した。率直な心境を正しく理解した上で「そうしたら、次に(自分がどう行動すべきかを)紙に書いてみるといい」と実践的な方法で助言した。

「目標は大きい方がいいのか、達成できそうな(現実的な)ものがいいか」という質問には「大きな目標は高く。大きな目標を達成するための小さな目標は現実的なものがいい」と説いた。

「高校生活なら高3のインターハイに出場、その一歩前に県予選と、上から下に逆算してやっていく。下から上に目標を設定していくと、最後のつじつまが合わなくなるから。上から目標をどんどん下に小さくしていくことが大切だと思います」と長い競技人生で培った目標設定についても惜しげもなく伝えた。

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