「表裏一体」の課題とは? 大山加奈さんが語る、新生「火の鳥NIPPON」の現在地
中田久美監督の下、東京五輪を目指す女子バレー日本代表。9月に行われたグラチャンバレーでは2勝3敗で5位となり、2大会連続のメダル獲得を逃した。自国で開催される大舞台まであと3年。新生「火の鳥NIPPON」の現在地は、どこにあるのか。世界との距離は――。
中田ジャパンはグラチャン5位…「パワフル・カナ」が見る、世界との距離とは
中田久美監督の下、東京五輪を目指す女子バレー日本代表。9月に行われたグラチャンバレーでは2勝3敗で5位となり、2大会連続のメダル獲得を逃した。自国で開催される大舞台まであと3年。新生「火の鳥NIPPON」の現在地は、どこにあるのか。世界との距離は――。
「グラチャンを振り返ると、けが人がいる中で、現在のベストメンバーで挑んで、ディグ、レセプションの守りのところが凄く安定していました。大崩れもしなかったし、よく拾っていた。これは素晴らしかったと思います」
こう話したのは、元女子日本代表・大山加奈さん。「パワフル・カナ」と呼ばれて10代から活躍し、その異名の通り、日本人離れした迫力あるスパイクを武器にアテネ五輪に出場した名アタッカーだ。サーブ、アタックのレシーブなどディフェンス面に収穫を感じた一方で「表裏一体」の課題も目についたという。
「守りの犠牲になってしまったのが攻撃。枚数の少なさが気になりました。今の世界上位との差は最後の勝負所で決め切る部分。今回は故障の長岡望悠選手、古賀紗理那選手も不在で、守りのスペシャリストが入っていた。究極に拾い続ければ負けないけど、どの国も大型化、男子バレー化している現状。拾って拾ってだけでは厳しい部分もあるのかなと感じます」
世界との壁を越えるため、期待されるのは、あの19歳のニューヒロイン。黒後愛だ。
「高校の後輩ですが、守りもできるし、打ち切る力も持っている。ハイセットも含め、細かいつなぎもできる。高校から鍛えてきたフィジカルに強さはあるけど、引き続き強化してほしい。身長も大きい方じゃないので、フルセットでもしっかり飛んで戦い切る体力をつけ、成長してくれたら日本にとっても大きいと思います」
今大会は故障でメンバー漏れ。故障も含め、肉体面を強化することが日本の進化にもつながっていく。そして、伸びしろを残したチームを率いるのが、中田監督。昨年就任し、日本代表では2人目の女子監督となった。