「私は1日33個のルーティンを作った」 杉山愛が高校生に伝えたエールの真意
元プロテニス選手の杉山愛さんが29日、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となった全国のテニス部20人に向けて授業を行い、プロに転向した高校時代の思い出を明かしたほか、現役テニス部員たちにアドバイスとエールを届けた。
「オンラインエール授業」でテニス部20人にメッセージ
元プロテニス選手の杉山愛さんが29日、「インハイ.tv」と全国高体連が「明日へのエールプロジェクト」の一環として展開する「オンラインエール授業」に登場。インターハイが中止となった全国のテニス部20人に向けて授業を行い、プロに転向した高校時代の思い出を明かしたほか、現役テニス部員たちにアドバイスとエールを届けた。
【注目】「大人の私も受けたい」とネット話題 誰でも観られる「オンラインエール授業」はこちらから(過去のアーカイブ動画も視聴可能)
杉山さんが登場した「オンラインエール授業」はインターハイ実施30競技の部活に励む高校生をトップ選手らが激励し、「いまとこれから」を話し合おうという企画。ボクシングの村田諒太、バドミントンの福島由紀と廣田彩花、バレーボールの大山加奈さん、サッカーの仲川輝人、佐々木則夫さんら、現役、OBのアスリートが各部活の生徒たちを対象に授業を行ってきた。
その第12回の講師として、女子ダブルス世界1位を経験した元名選手が登場した。「とにかく楽しかった、学生時代で一番」と振り返ったのが、高校時代。湘南工科大付(神奈川)に入学した当時について「テニスももちろんだけど、学校の時間が楽しくて。スポーツが強い学校だったので、みんな頑張っている姿が刺激になりました」と思い返した。
「その関係は今もつながっているし、高校時代の友達が一番、仲がいい。よく食べてよく寝て、少ない時間で友達と遊びに行った。楽しかったという印象しかないです」。学生生活の充実に比例するように、テニスの成績も伸びて行った。1年夏のインターハイでシングルス優勝を飾った一方、国内外の大会で実績を積み、2年生の10月に17歳3か月でプロに転向した。
「中学は勉強も厳しい学校だったので、高校はスポーツをしっかりとやれる学校を選んだ。入った時は(在学中の)プロは全然イメージしていなかったけど、1年生の時にインターハイで優勝させてもらい、想像以上に力が伸びた。いろんな大会で結果を残すことができて、これなら『プロでやっていけるんじゃないか』と思い、テニス中心にやっていこうと思ったんです」
充実していた高校生活。「残念だったのは、プロになると試合も公欠扱いじゃなくなり、友達と別れて通信制の高校に編入するしかなかった」と語った一方で「素晴らしい仲間と、ここ(湘南工科大付)にいたいという気持ちはあったけど、17歳は世界を見渡すとプロで活躍している選手もいた。プロ転向も早いわけじゃない。正しい選択だったと思う」と決断を振り返った。
3年間で一変したテニス人生。一気に成長できる期間だからこそ、今の高校生たちの伸びしろに期待している。
「高校生の吸収力は、大人になった今の私の吸収力とは全然違う。だから、みんなの可能性はすごく大きい。乾いたスポンジのように、吸収したいという自発的な思いは何にも代えられない。アンテナを張り、答えを求めれば、必ずチャンスはある。それを自分なりに取捨選択し、取り入れることが大事になる。合致すれば一気に可能性が広がり、力がつけられる時期だと思います」
その上で「今は自粛で我慢させられる状況あったから。跳ね返す力はみんな強いと思う。ここからです」と背中を押した。