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日本の歴史を変えたカーリング藤澤五月 負けず嫌いな末っ子「さーちゃん」の成長物語

「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載する。

ロコ・ソラーレの司令塔は、これまでどんな道を歩み成長してきたのか。藤澤五月の素顔に迫った【写真:AP】
ロコ・ソラーレの司令塔は、これまでどんな道を歩み成長してきたのか。藤澤五月の素顔に迫った【写真:AP】

「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#100 藤澤五月の成長を見た姉と恩師の証言

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 カーリング女子日本代表(ロコ・ソラーレ)は20日、初めて進出した決勝で英国と対戦し、3-10で敗れて銀メダルとなった。2018年平昌五輪の銅メダルを上回る躍進で、日本のカーリング史上最高成績となったが、この中心にいたのがスキップの藤澤五月だ。1次リーグから高いショット成功率を誇り、日本の勝利を演出。ロコ・ソラーレの顔とも言える司令塔は、これまでどんな道を歩み成長してきたのか。2つ年上の姉・汐里さんの証言を中心に、カーリングを愛する末っ子の素顔に迫った。(取材・文=竹田 聡一郎)

 ◇ ◇ ◇

 1991年5月24日、藤澤五月は北海道北見市に生まれる。

 3つ年上の兄・健人さん、2つ年上の姉・汐里さんに続く末っ子で、家族から「さーちゃん」と呼ばれ可愛がられてきた。カーラーである父の充昌さんの影響で、5歳でカーリングを始める。

「運動するのが好きな家族なので、父がカーリングだけでなくテニスやスキーに連れていってくれましたが、五月は私よりなんでも上手にできていたように思います」

 そう語る汐里さんとは、北見市立北中学校、道立北海道北見北斗高校時代は同じソフトテニス部の先輩後輩であり、冬季は充昌さんがコーチをするカーリングチーム「ステイゴールドⅡ」のチームメイトでもあった。

 ステイゴールドⅡは2007年と08年の日本ジュニア選手権を連覇するなど、藤澤姉妹は10代から頭角を現す。ちなみに08年の男子の部で優勝したのは当時、東京農業大学でプレーしていた兄の健人さんだった。

 中部電力入社後の11年から日本選手権4連覇。それ以降の戦績を語ることは今さら不要かもしれないが、その日本選手権連覇で充昌さんは「世界で通用するかもしれない」と感じたという。

 ただ、本人が世界を知ったという意味では「もう少し前かもしれない」と、汐里さんは思い当たることがあるという。

「五月がまだ小学生の頃なんですけれど、カナダに家族旅行をしたんです。ケロウナという街で世界ジュニア選手権をやっていたので、それを観に行きました。ちょうど本橋麻里ちゃんが日本代表として出ていた大会で、私は『世界ジュニアって楽しそうだなー』くらいに思いましたけど、五月は初めて触れた世界をどう感じたんですかね。楽しそうにはしていたけど。あとで、父はひょっとして五月に世界を見せたかったのかなーと、ぼんやり感じたのは覚えています」

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