羽生結弦「報われなかった今は今で幸せだな」 3度目の五輪終了で明かした感謝の想い
北京五輪は20日、フィギュアスケートのエキシビションが行われ、男子シングル4位となった羽生結弦(ANA)が登場。後半21番目のプログラムで北京最後の舞を見せた。
北京五輪エキシビションで「春よ、来い」熱演
北京五輪は20日、フィギュアスケートのエキシビションが行われ、男子シングル4位となった羽生結弦(ANA)が登場。後半21番目のプログラムで北京最後の舞を見せた。
【注目】本気で野球に挑戦する親子必見! 各分野のプロが動画解説、日本最大級野球スキル動画配信サービス「TURNING POINT」の公式LINEはこちら
観る者すべてを魅了する演技だった。羽生は「春よ、来い」の美しいピアノの調べに乗せ、高さのある3回転アクセル、氷を這うようなハイドロブレーディングなど、高い技術力を披露。ステップ、スピンを含め、情感たっぷりに演じた。滑り終えると、ため息にも似た歓声と拍手に包まれた。羽生は幸福感に満ちた表情で、それに応えた。
これで羽生にとって北京で最後の舞。3度目の五輪が終わった。テレビインタビューに応じ、「春よ、来い」に込めた想いについて「いろいろと詰め込みすぎて、何がというのは僕の口から言い切れないけど、皆さんにこうやって見ていただけるからこそ、僕はこうやって滑ってこられた。見ていただくからこそ、僕の演技に何かしらの意味が生まれる。皆さんに感謝したいと今、思っています」と話した。
大会最終日まで練習を継続。「とにかく自分がやりたいこと、こうやって見ていただける今だからこそできるすべてを、この五輪の地でやっていきたいという気持ちが強くあった。本当に幸せな時間だった」と振り返った。
今大会について問われると「いろんなことを深く考えさせられた。今まで僕は努力してもどうしようもない時期はたくさんあった。皆さんの記憶の中にある羽生結弦はソチ五輪、平昌五輪……成功している自分が多いかもしれないけど、ここまで競技を続けるにあたり、自分の中のどん底を何回も何回も見てきた」と言う。
その上で「こうやって大人になり、人生って報われることがすべてじゃないんだなって。ただ、報われなかった今は、報われなかった今で幸せだな。不条理なことはたくさんあるけど、少しでも前を向いて歩いていけるように頑張っていきたい」と締めくくった。
羽生は団体戦には出場せず、8日の男子ショートプログラム(SP)に登場。冒頭のジャンプで穴にハマる不運もあって8位。10日のフリーは総合4位となり、3連覇は逃したものの、挑戦した4回転アクセルが世界初認定された。競技後の会見ではフリー前日に右足首の負傷があったことを告白。それでもエキシビションに出演し、優雅な演技で魅了した。
(THE ANSWER編集部)